心理学を学んでいくと、それを「自分責め」のために使ってしまうことがあります。
そうならないために、当初の目的である「自分を愛する」ことに、何度でも立ち返ってみることは、とても大切なことです。
1.「自分を愛する」という原則
昨日の記事では、「投影」の視点を使うときに大切な、「自分を愛する」という原則についてお伝えしました。
「投影」の視点を自分にフィードバックするときは、「自己愛」が大切。 - 大嵜直人のブログ
「投影」とは、私たちの心のなかの感情や心象風景、記憶、価値観などを、外の世界に映し出すことを指します。
同じできごと、同じ風景を見ても、感じることは百人百様です。
それは、「投影」の法則から考えると、当たり前ともいえます。
これを突き詰めていくと、「世界は私がつくっている」ととらえることもできるでしょう。
さて、この「投影」の法則を逆から見ると、いま自分自身が何を感じているか、どう考えているかを知ることができます。
時に私たちは、自分の考えていることだったり、自分の感じていることに、無自覚でいたりするものです。
それを、「投影」の法則を使うと、自分がどう見ているか、そして自分が自分自身をどう扱っているかを知る手掛かりにすることができます。
「この人は、やさしくないな」と感じるのであれば、それは自分に対して感じていることの「投影」かもしれない、という風に。
そうしたフィードバックをする際に、忘れないようにしたいのが、「自分を愛する」という視点というのが、昨日のテーマでした。
私たちは、誰よりも自分自身に対して厳しく接してしまうものです。
それゆえ、「自分が感じていること」が分かったときに、「それはいけない」「そんな風に感じるのはよくない」とばかりに、何らかのジャッジをしてしまいがちです。
そうした判断、ジャッジをするよりも、「そう感じているんだな」と自分自身に寄り添うことを大切にしたい、というのが昨日のテーマでした。
2.当初の目的に立ち返ることの大切さ
これは、何度でもお伝えしたいことですが、そもそも心理学を学んだり、カウンセリングを受けたり、それによって自分を知ったりすることの「目的」を私は大切にしたいと思うのです。
何らかの生きづらさがあったり。
解決したい人間関係の葛藤があったり。
しんどい執着をどうにかしたかったり。
そうしたきっかけで、多くの人が心理学に触れたりすることと思います。
そして心理学を知ると、自分の心の動きが、説明できたり、理解できたりすることもあるのでしょう。
しかし、私自身もそうだったのですが、そこで分かったことを、また「自分を責める」ために使ってしまうことがあります。
「あぁ、また癒着している。いつまでたっても、私はだめだな」という具合に。
楽に生きられるように、自分のために学んだはずの心理学が、いつしか「自分責めの道具」にしてしまう。
それは、とても悲しいことです。
だから、私がこの「やさしい心理学」の記事を書き始めるときに、「(自分にとって)やさしい心理学」をお伝えしたい、と書きました。
カウンセリング・マインドを、届けたい。 - 大嵜直人のブログ
私自身もそうですが、何度でも当初の目的に立ち戻ることは、非常に大切なことだと思います。
3.始まりも終わりも「自分を愛すること」
心理学を学び始めるきっかけ。
いろんなきっかけが、あることと思います。
あなたは、どんなきっかけで、心理学を学び始めたのでしょうか。
様々なきっかけがあるとは思いますが、「自分を愛すること」が、大きなテーマのように感じます。
きっかけそのものは、失恋のしんどさだったり、人間関係の葛藤だったり、パートナーシップでの問題だったりするかもしれません。
けれども、総じて言えるのは、そうしたできごとを通じて、私たちは「もっと自分を愛したい」「自分を愛せるようになりたい」と願うのではないかと思うのです。
私も、そうでした。
その願いを、折に触れて思い出して、忘れないようにしたいものです。
今日は、「自分を愛する」という、何度でも立ち返りたい原則について、お伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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