大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

自己受容の大原則と、いまここにいることの奇跡。

自己受容の大原則は、そのままの自分を愛することです。

それは、いまここに自分がいることの奇跡を想うことと、似ているようです。

1.変わらぬ自分を愛すること

昨日の記事では、すぐに変わることよりも、変わらない自分を愛することの方が大切、というテーマでお伝えしました。

すぐに変わることよりも、変わらぬ自分を愛することを。 - 大嵜直人のブログ

とかく私たちは、変わることに価値を置いてしまいがちなものです。

巷には、変わるための方法論なんかが、あふれていたりするものです。

特に、自分を否定的に見ていると、いまの自分から変わらないといけない、と感じることのあったりします。

しかし、自己否定からはじめる変化は、なかなか長続きしません。

いまの自分がイヤだから、いまの自分が認められないから、何か別のものに変えたい。

そうしたモチベーションは、最初はすごく頑張れるものです。

一刻も早く抜け出したいという想いから、瞬発力は出ます。

自己否定や怖れといった、ネガティブな動機から走っていると、人はいつか疲れてしまいます。

あるとき、ぱたっと立ち止まってしまい、「あぁ、また変わらなかった。自分はダメだな」というスパイラルに陥ってしまいがちです。

そうした自己否定から変わるのではなくて、まずはいまの変わらない自分を愛することからはじめましょう、というのが昨日のテーマでした。

2.自己受容の大原則

このことは、自分を変えるということに限った話ではありません。

自分を愛する、自己受容の大原則ともいえる部分です。

自分を愛する、受け入れる。

いろんな愛し方、受け入れ方があると思います。

その中でも、何かができるから、何かが秀でているから、自分を受け入れるということは、自己受容としては少し弱いものです。

もちろん、がんばって何かができるようになったとき、自分を褒めたり、労わってあげることは大切です。

しかし、何ができるとか、何かが優れているとかではなく、「いま、そのままの自分を愛する」ことが、自己受容の大原則です。

「何かができる自分を愛する」ことのは、裏を返せば、「何かができない自分を嫌う」ということでもあります。

人には、できることもあれば、できないこともあります。

そういった意味で、私たちは誰もがいびつな存在です。

しかし、「何かができるから自分を愛する」としてしまうと、その「できない」部分を嫌ってしまう、自己否定が生まれてしまいます。

そうすると、どうなるか。

その自己否定を、周りに映し出します。

家族やパートナーの「できない」部分を嫌い、否定したくなります。

そうすると、なかなか周りの人との関係が難しくなるのは、ご想像の通りです。

その逆に、自分のできない部分を愛せるようになると、周りの人のそれも、愛おしくなります。

すると、喜びのなかで手を差し伸べたりすることが、できるようになるわけです。

「できる自分」ではなく、「できない自分」や「いまここにいる自分」を愛する。

自己受容の大原則といえる部分です。

3.いまそこにいることの奇跡

「できない自分を愛する」と聞くと、なんだか自分を甘やかしている、と感じられるかもしれません。

都合のいいような言葉で、サボっている、と。

しかし、そう感じる人ほど、自分に厳しいのでしょうから、もっと自分を愛してあげることを意識してもいいのでしょう。

「できない自分を愛する」とは、自分をごまかすことでも、正当化することでもありません。

「そうだよね。それが、いまの自分だよね」

そう受け入れることを指します。

だから、何もしなくてもいい、というわけではありません。

できるようになってもいいし、あるいは誰かに助けを求めてもいい。

その選択肢は、私たちの手の中にあります。

いまの自分を受け入れ、愛することで、その選択肢を選ぶことができるわけです。

 

「できない自分、いまの自分を愛する」

それは言い換えると、いま自分がここにいることの奇跡を想うことでもあります。

どのような自分であれ、わたしがいまここにいるのは、当たり前ではありません。

この世に生を享けること。

心臓が、休みなく動いていること。

お腹を満たす食事が、あるということ。

誰かに、愛されてきたということ。

それは、決して当たり前のことではありません。

自己受容の大原則とは、そうした奇跡に、少し想いを馳せることと同じものといえます。

今日は、自己受容の大原則は、できない自分、いまそのままの自分を愛すること、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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