「癒し」とは、ものごとの見方がポジティブに変わることを指します。
そして、その癒された自分を分け与える意識を持つと、「癒し」を深めていくことができます。
1.分け与えるとき、その体験は輝く
昨日の記事では、あなたの体験が輝くとき、というテーマでお伝えしました。
心理学に限らず、「学び」というのは、自分自身の体験を経てこそ、はじめて自分の血となり肉となり、財産になります。
逆に言えば、自分の体験を経ていない学びは、頭でっかちで、空虚なものです。
たとえ一言一句、同じことを伝えたとしても、それがその人自身の経験にもとづくものかどうかで、伝わったり伝わらなかったりします。
「何を言っているかよりも、誰が言っているかの方が大切」と言われたりもしますが、同じようなことかもしれません。
心理学の理論にしても、なんにしても。
それ自体に価値があるわけではなく、それを使ってこそ、光り輝きます。
「心理学は使ってナンボ」とは、私もお世話になっているカウンセラーの方の言葉です。
そして心理学とは、誰かの心を覗こうとしたり、相手をコントロールしようとするために使うものではありません。
ええ、そうしたくなっちゃうのも、分かるのですが笑
自分の心、自分の内面と向き合うために使うとき、心理学の知識はとても力強い味方になってくれます。
そうしたなかで、自分自身が経てきた体験を、自分のなかで意味づけを変えていくこと。
そして、その体験を通じた学びを、誰かに分け与えようとするとき、その体験は光り輝くのです。
2.癒しとは、ものごとの見方がポジティブに変わること
自分が経験してきた体験を、自分のなかで意味づけを変えていくこと。
そのプロセスを、「癒し」と呼びます。
「癒し」という言葉には、さまざまな定義があるとは思いますが、ここでの定義は、「ものごとの見方がポジティブに変わること」を指します。
あるできごとのよしあし、正誤、その意味付けは、時間とともに変わります。
それは、さまざまな歴史上のできごとや、「人間万事塞翁が馬」という故事を引くまでもないことでしょう。
ある種の幸運が堕落への入り口だったり、挫折や苦難がその人を育ててくれたりもします。
こう書いてしまうと、「まあ、そうだよな」とは思うのですが、なかなか自分ごととして考えると、難しいものがあります。
自分のなかでの生まれた環境や親への考え方、あるいは自分の容姿や持っている資質の捉え方、いままで起こったできごとへの評価といったものは、凝り固まってしまうのが、人の常です。
「母親は、ずっと弟ばかり見て、自分をほったらかしにしてきた」
「大事なときに、いつも私は病気になってチャンスをダメにする」
「大切な人ほど、自分のもとを去っていく」
…などなど、こうした見方は自分の観念や価値観ともいえるものですから、それを「変えてみよう!」としても、すぐには難しいものです。
だって、いきなり、いまの令和の時代の価値観を捨てて、平安時代の価値観を持ちましょうとか言われても、難しいじゃないですか笑
まあ、それは少し違うとしても、自分のものの見方、考え方を変えていくのは、難しいものですし、それだけエネルギーが要るものです。
ですから、自分にとっての「問題」が起こると、その大きさの分だけ、自分の見方を変えやすかったりします。
「問題」はできれば避けたいものですが、それは私たちの「癒し」のチャンスともいえます。
3.癒されて半分、残りの半分は分け与えてこそ
さて、この「癒し」には、冒頭に書いた体験と同じような性質があります。
それは、「分け与えてこそ」のものである、という性質です。
「癒し」と聞くと、それはどこか「自分の内面だけ」の問題のように聞こえます。
癒されるかどうかは、自分の内面次第である、と。
そんなイメージを持っておられる方も、いらっしゃるかもしれません。
けれども、この「癒し」に関連したものに、「癒されて半分」という言葉があります。
カウンセリングを受けたり、セラピーを受けたりすることで、自分を癒していくこと。
そうしようとすることだけでも、素晴らしいことだと思います。
けれども、そこで終わりでは、ないんですよね。
逆から言うと、自分を癒そうとするだけでは、「癒し」は半分までしかいかない、という意味です。
じゃあ、残りの半分は、どうしたら癒せるのか。
そうなんです。
先に書いた体験と同じく、それを周りの人に分け与えることが、残りの半分の「癒し」をもたらしてくれます。
「それは、自分以外の人に『癒し』を与えるという意味なのかな?」と思われるかもしれませんが、もちろんそれも含みますし、それに限った話ではありません。
「癒し」とは、ものごとの見方を、ポジティブに変えることとお伝えしました。
その「癒し」で変わった見方で見える世界を、誰かに伝えていくこと。
その変わった見方、価値観、観念を、大切にしていくこと。
その価値観で、周りの人と接していくこと。
直接的に「癒し」を与えることも重要ですが、癒された自分を周りに与えていくことを意識するだけでも、全然違うんですよね。
そのように「分け与える」意識を持つことができると、「癒し」は加速度的にすすんでいきます。
癒されて半分。
残りの半分は、癒された自分を分け与えてこそ。
そんな意識を持ってみると、あなたの「癒し」はまた深まっていくことでしょう。
今日は、癒された自分を分け与える意識、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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