大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

半夏雨に、故郷を想う文月のはじまり。

早いもので、もう7月に入りました。

時候では、夏至の末候の「半夏生(はんげしょうず)」になります。

また昔は、夏至から数えて11日目が「半夏生」とされていたそうですが、いまは黄経100度を太陽が通過する日で、だいたい7月2日あたりになるそうです。

お恥ずかしながら、最近知ったのですが、この時候の「半夏生(はんげしょうず)」と、植物の「半夏生(はんげしょう)」は別なんですよね。

植物の「半夏生」は、白い葉っぱと花が特徴的で、別名「半化粧(はんげしょう)」「片白草(かたしろくさ)」とも呼ばれるそうです。

一方、時候の「半夏生(はんげしょうず)」は、薬草でもある「カラスビャク」という草が生える時期を指します。

細い茎がすらっと伸びる、なんとも不思議な形の植物です。

この「カラスビャク」の別名が「半夏(ハンゲ)」なので、その「半夏」が生ずる時期が「半夏生」…なんとも、ややこしい話ですね笑

ずっと、「ハンゲショウが咲くから、半夏生」と勘違いしていました。

とはいえ、季節や草花のことをまた一つ知ることができると、見える世界が広がる気がします。

 

さて、そんな半夏生のころに降る雨を、「半夏雨(はんげあめ)」と呼ぶそうです。

この時期の雨は、大雨になることが多いそうです。

「半夏生」は、田植えを終わらせる時期でもあります。

この時期までに終わらせて、恵みの雨を待つという、昔の人の知恵だったのでしょうか。

 

そんな「半夏生」の時候の今日。

昼過ぎから、よく雨が降る一日でした。

私が幼いころ、住んでいたあたりには、田んぼがまだたくさんありました。

田植えが終わったばかりの田んぼ。

植えられた苗が、整然と並んでいて。

この梅雨時期の雨が降ると、いくつもの円がその水面に描かれては、消えていく。

そんな風景が、いつも見られたものでした。

今日のこの雨もまた、どこかの田んぼの水面に、波紋を描いていたのでしょうか。

そんな、故郷を想う文月のはじまりでした。

雨が降ったりやんだり。

実にころころと変わる天気と、蒸し暑さに、体調を崩しやすい時期でもあります。

どうぞ、ご自愛くださいませ。