何か特別なことをしなくても、あなたがそこにいることが、誰かのセーフティネットになっていることがあります。
自分に厳しくしてしまいがちなとき、自分を否定してしまいそうなときに、少し見ていただきたい視点です。
1.起こらなかったことの価値
とかく、私たちは「起こったこと」にフォーカスしがちで、「起こらなかったこと」には目が向かないものです。
たとえば、「幸運」と考えてみると、少しわかりやすいかもしれません。
「宝くじで3億円当たる」という幸運は、そうそう起こりません。
最終レースでそれまでの負けを取り返す会心の万馬券が当たることは、そうそう…というかまず起こりません笑
何がしかの実際に「起こったこと」に、私たちの目は向きがちです。
「起こったこと」が見当たらないと、私たちは「幸運」がないと考えてしまうことがあります。
しかし、「起こらなかったこと」に目を向けてみると、実に多様で、そして多彩な「幸運」が広がっているものです。
たとえ、宝くじが当たらなかったとしても。
「階段で転んで足を骨折して宝くじが買いにいけなかった」という事象が起こらなかった、ともいえます。
馬券が当たらなかったとしても。
「急に高熱が出て入院して、競馬どころじゃなかった」という事象が起こらなったからこそ、ともいえます。
何をバカバカしい、と思われますでしょうか笑
けれども、「起こらなかった」ことには無限の可能性があり、そしてそれが「起こらなかった幸運」には、私たちはなかなかフォーカスすることが難しいものです。
これ、「自分にそんなことが起こるなんて思いもしなかった」というような事故や事件、あるいは天災といったものに出くわしたことがある方には、一定の共感をされるのではないかと思います。
あぁ、今日も無事に過ごせてよかったという、あの感覚。
人間、慣れの生きものと言われるように、なかなかその感覚を持ち続けることは難しいのですけれどね。
まあ、それはともかくとして。
「起こらなかったこと」の価値を、私たちは軽く見過ぎる傾向があるようです。
そこに価値を見ることは、よーく目を凝らさないと、難しいものです。
それは、「いまここにある幸せ」を感じるためには、ある程度の鍛錬と心のメンテナンスが必要なのと同じようです。
2.そこにいることの価値
「起こったこと」と「起こらなかったこと」の関係。
「起こらなかったこと」には、価値を見出しづらいものです。
その構図は、私たちが「何かをすること」と「そこにいること」の関係に似ています。
とかく、私たちは「何かをすること」に価値を見いだしたがります。
誰かに何かを与えた。
努力した、頑張った。
何かができるようになった。
…などなど、「何かをしたこと」に価値を見ている。
言い換えると、何もしていなければ、価値が無いともいえます。
これは、他人の心を思い遣れるやさしさを持つ人ほど、その傾向が強いように思います。
自分の大切な人に、何かをしてあげられないと、価値が無いように感じてしまう。
そして、何もしてあげられない自分、何も与えられない自分を、責めてしまったりもする。
けれども、真実はきっとそうじゃないんですよね。
あなたがそこにいることに、価値があるんです。
それは、何かをしてあげることと、何ら変わりない素晴らしい価値です。
「えー、信じられない」と思われますでしょうか笑
もしそうだとしたら。
あなた自身が、そう感じている人は、いませんでしょうか。
今日この日まで、そんなにもがんばってこられたのは、なぜでしょうか。
あの人が、あの子がいるだけで。
そう感じる人は、いらっしゃいませんでしょうか。
もしいらっしゃるのであれば。
その反対もまた、真実なのだと思うのです。
3.「世界中にさだめられたどんな記念日なんかより」
このフレーズで反応すると、年代がバレますね笑
はい、私も思春期真っただ中によく聞いていました。
THE BLUE HEARTSの「TRAIN-TRAIN」という歌の歌詞の一部です。
この歌詞が、とても好きでした。
世界中にさだめられた どんな記念日なんかより
あなたが生きている今日は どんなに素晴らしいだろう
私がここで長々と書いてきたことを、たった2行のフレーズで伝えてしまう。
やはり、歌というのはすごいものですね笑
それにしても、いいですよねぇ、ブルーハーツ(そこ?笑)
ブルーハーツも、人がそこにいることの価値を、歌いたかったのでしょうか。
私も、何度でも書いて、伝えていきたいと思うのです。
あなたがそこにいることには、とても素晴らしい価値があるんです。
与えたがりのあなたは、何かをしてあげないと、と思ってしまうかもしれませんが。
あなたがそこにいるだけで。
それだけで、価値があるのです。
それは、今日この日が、幸運に満ち満ちていることと、同じことのようです。
今日は、起こらなかったこと価値と、そこにいることの価値という視点でお伝えしました。
今日も、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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