「その問題のおかげで」という点をリストアップすることは、私たちに大きな恩恵を与えてくれます。
すぐには出てこなくても、それを考え続けることで、意識を変えていくことができます。
そうしていくと、問題はいつしか財産に変わります。
1.「〇〇のおかげ」の技法
昨日の記事では、苦しいことがあったときに「〇〇のおかげ」という点をリストアップする手法について、お伝えしました。
苦しいできごとがあったときは、「そのできごとのおかげで」という点をリストアップしてみる。 - 大嵜直人のブログ
楽しいとき、うまくいっているとき、自分の思い通りに事が運んでいるとき、私たちは何もしなくてもポジティブになりますし、プラスの見方をできるものです。
しかし、それは言ってみれば環境に左右されているだけ、ともいえます。
晴天もずっと続かないように、この暑い夏もいつかは終わりがやってくるように、人生のなかではうまくいかない時期もあるものです。
逆風が吹いたときに、困難が訪れたときに、それでも前を向いて、ポジティブな見方を取れるかどうか。
そこに、その人の人間性が現れます。
けれども、誰しも困難や問題に出会ったときに、すぐにはポジティブになったり、前を向いたりすることはできないものです。
そうしたときに有効なのが、「〇〇のおかげ」という点をリストアップする方法があります。
「〇〇」には、その問題や困難なできごとが入ります。
「仕事で失敗した」「失恋した」「親しい人に裏切られた」
苦しいときほど、なかなか「そのおかげで」という点を挙げるのは、難しいものです。
こういうとき、完璧主義な傾向があったり、根がまじめな人は、「全然出てこない、ちゃんとできない」と感じて、「やーめた」となってしまいがちです。
私も、その傾向があります笑
けれども、変な話ですが、この「リストアップ」は、答えを出すことよりも、その問いを考えること、考え続けることの方に、価値があります。
2.すぐには終わらない数が有効
言ってみれば、そこで出てくる答えに、正しいも間違っているもないわけです。
そのできごとから、何を受けとるのか。
何を学ぶのか、何を得るのか。
それは、その人が決めるべきことで、そこに正誤善悪もありません。
しかし、その問いを考え続けることで、「こんな問題が起きたせいで」とか、「あのできごとのせいで」という被害者や依存の意識から、少しずつ離れていくことができます。
それは、自分の生を主体的に生きるために、とても有効なことです。
だから、「〇〇のおかげ」をリストアップするときは、すぐには終わらない数を設定することがおすすめです。
300とか、500とか。
1日や2日では、到底出てこない数が、おすすめです。
その膨大な数を全部リストアップすることもそうなのですが、「〇〇のおかげ」は何があるだろう?と考え続けることに、価値があります。
3.考え続けることに、価値がある
これは、ある意味で自分自身をカウンセリングする、セルフ・カウンセリングに近いものです。
カウンセリングのなかでは、いろんな問いかけをします。
「そのとき、どんなことを感じましたか」
「似たような感情を感じることは、ありますでしょうか」
それは、何か正しい答えを出すためではありません。
ただ、自分の内面であったり、あるいは、誰かの心情であったり、そうしたものに意識を向けていただくためです。
苦しいできごと、望まないこと、そうしたことの中から、「そのおかげで」という点を考えるのは、すぐには難しいものです。
「でも、だって」という想いが、湧いてきたりもしますし。
けれども、そこに意識を向け続けることは、私たちに大きな恩恵を与えてくれます。
意識を向け続けることで、それはいつしか、「あんなことがなければ」から、「そのおかげで」というできごとに変わっていきます。
にわかには信じがたいかもしれませんが、本当なんですよ。
今日は、考え続けることで意識を変える「リストアップ」の効用について、お伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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