大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

苦しいできごとがあったときは、「そのできごとのおかげで」という点をリストアップしてみる。

苦しいとき、辛いときにポジティブなものの見方、プラスの発想をするのは難しいものです。

しかし、そんなときに効果的なのが「そのできごとのおかげで」という点をリストアップするという手法です。

1.苦しいときに前を向くことの価値

先日の記事では、闇の中で見た光は、いつまでも失われることはない、というテーマでお伝えしました。

闇の中で見た光は、いつまでも失われることはない。 - 大嵜直人のブログ

ものの見方、世界のとらえ方というのは、千差万別です。

同じ事象やできごとであっても、180度違う方向から見ることができます。

「こんなことが起こるなんて、この世の終わりだ」というような、後ろ向きの見方。

その反対に、自分にとってのポジティブな見方、前を向くことができる見方。

大切なことは、それは自分で「選べる」と認識することでしょうか。

その選択権は、どんなときにも、自分自身の手の中にあります。

とはいえ、苦しいとき、困難のなかにあるとき、窮地に陥っているときには、なかなかそうしたポジティブな見方や、プラスの発想をすることが難しいものです。

誰だって、そうですよね笑

楽しいとき、うまくいっているときには、自然とポジティブになれるものですが、なかなかその逆の状況では、難しいものです。

しかし、そうした苦しいときに、前を向くことには、大きな価値があります。

苦しいときに得ることができたプラスの見方は、その状況が変わっても、失われることがありません。

生きる中で、とても苦しい時期に得たことって、自分にとってかけがえのない財産になるように。

無理やりに、自分を偽ってポジティブになる必要はありませんが、「苦しいときに得た光は、失われることがない」と知っておくだけでも、少し違うのではないでしょうか。

2.「〇〇のせい」と「〇〇のおかげ」リスト

さて、そうはいっても、苦しいときに前を向いたり、その状況をプラスに考えたりすることは、なかなか難しいものです。

苦しいから気力も萎えるし、うまくいかないから自分を肯定するのは難しい。

もちろん、苦しい、しんどい、つらい、といったネガティブな想いを抑えつける必要もありませんし、むしろ安全な場所で吐き出すことは必要なことです。

そうした上で、「さて、この状況にどうやって向き合おうか」と、考えることができる余裕ができたときに、整理してみたいことがあります。

それは、「〇〇のせいで」というリストと、「〇〇のおかげで」という点をリストアップしてみる、というものです。

たとえば、「失恋」というできごとについて、考えてみます。

「失恋したせいで」というリストには、どんな項目がリストアップされるでしょうか。

  • 自分に魅力がなかったのかと感じて辛い
  • 一人の夜が長く感じて、寂しい
  • もうあんな人とは出会えないと感じてしまう

…いろんなことが、浮かんでくるかもしれません。

では、その反対に「失恋したおかげで」というリストは、どうでしょうか。

  • 自分と向き合うきっかけになった
  • 周りの人のやさしさに触れることができた
  • お付き合いした時間に感謝することができた

あまり考えすぎると、自分の感情と葛藤して、出てこなくなってしまったりしますので、ゲーム感覚でパッと挙げてみるのが効果的です。

そうしてでてきたリストを眺めてみると、少しそのできごとに対しての見方が、変わっていることを感じられるものです。

3.リストアップすることで、意識をそちらに向ける

この「リストアップ」は、少し長いスパンで考えてみるのもおすすめです。

1週間、あるいは1か月という区切りでやってみる。

そして、自分では「少し多いな」と感じる数をリストアップすることを目標にしてみることをおすすめします。

パッと5個くらい浮かんだ人は、100個を目標にしてみる。

10個くらい浮かんだ人は、200個を目標にしてみる。

「〇〇のおかげで」というのは、なかなか意識しないと出てこないものです。

しかし、人の意識というのは不思議なもので、その方向を向いていると、その見方に合致したものを取り込んでくれます。

ふっと思いついたときに、メモを取るような感じでしょうか。

いまは、スマホがあるから、いつでもメモが取れるのは便利ですよね。

 

このリストアップに関連した話で、以前に私もカウンセリングを受ける中で、「両親に感謝できることを、父と母とそれぞれに300個ずつリストアップする」という宿題をやったことがあります。

10や20は出てくるんですが、これが300となると、すぐには出てこないんですよね。

だから、1か月くらいずっと考えていて、手帳にメモしてた記憶があります。

それを続けていると、忘れていた記憶がふっと思い出されたり、意識がそちらに向くようになっていくんですよね。

当時の私は、両親との別れがつらくて、ずっと両親の存在を「なかったこと」にしようとしていましたから。

そうして切ろうとしていたつながりを、取り戻すきっかけになったのが、リストアップでした。

今日のテーマとは少し異なるかもしれませんが、「リストアップをすることで、意識をそこに向け続ける」という意味では、近いように思います。

 

「そのできごとのおかげで」をリストアップすること。

そうして得ることができた視点や見方は、必ずかけがえのない財産になります。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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