感謝が大切なのは、いろんな場面で言われることですが、感謝したくてもできないこともあるものです。
そんなときは、まず自分の感情を感じ切ることを優先してみることがおすすめです。
1.「手放し」も「許し」も行きつく先は感謝
先日の記事では、「手放し」も「許し」も行きつく先は感謝、というテーマでお伝えしました。
「手放し」も「許し」も、行きつく先は感謝できるようになること。 - 大嵜直人のブログ
握りしめていた執着を、そっとゆるめる「手放し」。
相手やそのできごとを、主体的に受け入れる「許し」。
どちらも、心理学においてはとても重要な考え方であり、また似ている点も多いものです。
似ている点とは、どちらも行きつく先は、相手の幸せを願い、そして感謝できるようになる、という点でしょうか。
執着していると、とても苦しいものです。
「なんでこんな苦しい思いをしないといけないのか。こんな思いをするくらいだったら、出会わなければよかった」
そんなことを感じることも、ありますよね。
それは、許せないできごとや問題、あるいは人に対しても同じです。
「あんなことが起こらなければ、こんなしんどい思いをしなくてもよかったのに」
「いま私がこんなにも苦しいのは、あの人がひどいことをしたからだ」
そんな風に感じたりすることも、時にはあるものです。
そうした執着をゆるめていくのが「手放し」であり、苦しいけれども被害者の立場を抜けていくのが「許し」のプロセスです。
その先には、
「あの出会いがあったおかげで、いまの自分があるんだな」
「あの人も傷ついていたんだな。あの人が笑顔でいるといいな」
そんな想いを抱けるようになる自分がいます。
相手の幸せを願い、そして感謝できるようになる。
「手放し」と「許し」の先には、そんな反転した世界があります。
2.感謝したくてもできないときは
「手放し」と「許し」の先にある、感謝。
その感謝の効用は、ここで書くまでもなく、いろんな場面で言われるものです。
それは、真実なのでしょうけれども、ある意味で「正論」なんですよね。
はい、みんな嫌いな「正論」です笑
それは、正しい。
正しいんだけれども、やさしいかと言われると、決してそうじゃない場面がある。
どうやったって、感謝できないときがあるわけです。
感謝した方がいいのは分かっているけれど、できない。
頭と心が違う方向を向いている苦しさ、といえるでしょうか。
それは感謝に限った話ではありません。
やめたほうがいいと分かっているけれど、やめられない。
やったほうがいいと思うんだけど、腰が上がらない。
そんな頭と感情の不一致は、よくあるものです。
いや、むしろ、頭でわかっていて動ければ、こんな楽なことはありませんよね。
そうした、感謝したくてもできないとき。
いろんな考え方があると思いますが、まずは無理して感謝しなくてもいいと思うのです。
「わたしは、いま、感謝したくないんだな」
そう思うだけで、いいと思います。
自分が感じていること、思っていることを認める。
これも立派な自己受容であり、自分を愛することの一部です。
自分の状態を認めることで、変わるものもあるのでしょう。
3.感情を感じつくすことで、感謝に至る
感謝したくてもできないとき。
考えられる一つの要因として、抑圧している感情でいっぱいいっぱいになっている、という可能性があります。
その相手に対して、感じていること。
そのできごとについて、感じること。
それを、感じ切れていないと、心のなかでずっと澱のように溜まっていきます。
そんなことを感じている暇もないくらい、忙しかったのかもしれません。
あるいは、その感情を感じることが怖すぎて、抑えてきたのかもしれません。
もしかしたら、そう感じること自体を、自分自身に禁じてきたのかもしれません。
いずれにせよ、感じることができなかった感情は、勝手に消えることはなく、むしろどんどんと膨らんでいきます。
それをまた抑えようとするわけですから、それだけでいっぱいいっぱいになります。
さしずめ、ぱんぱんに膨らんでいく風船を、持っている感じでしょうか。
あるいは、熱いお茶がなみなみと入った茶碗を、持ち歩いている感じでしょうか。
そんな状態で、「感謝」と言われても、「いや、いまはムリ!」となるのも、当たり前といえます。
だから、感謝の前に、感情を解放することが必要になります。
抑えてきた感情を、感じること。
誰かに話すこと。
感じていることを書き出してみること。
身体を動かすこと。
いろんな方法がありますが、感情を解放することで、心のなかのスペースに余裕をつくる感じです。
感情を感じ切った分だけ、余裕がうまれ、感謝できる時間も増えてきます。
感謝しようと思っても、できないとき。
まずは、抑えていた感情を感じることを優先してみてはいかがでしょうか。
今日は、感謝するために必要なのは、感情を解放することというテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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