大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

愛を受けとならないのは、美しい謙遜ではなく、たいせつな人を傷つけてしまう傲慢さである。

愛を受けとらないのは、美しい謙遜ではありません。

それは傲慢さであり、相手を傷つけてしまいかねません。

愛を受けとることは、あなたも、あなたの大切な人も、笑顔にすることです。

1.「愛を受けとる」という魔法

昨日の記事では、愛を受けとる、というテーマについてお伝えしました。

「愛を受けとる」ことは、相手との関係性をよくする魔法。 - 大嵜直人のブログ

誰かとの関係性をよりよくしたいと思ったとき、私たちはその相手に、「なにが与えられるか」に意識が向きがちです。

恋愛のパートナーに対しても、家族の関係にしても。

「どうしたら、相手に喜んでもらえるだろう」

「自分の何を与えたら、相手が笑顔になってくれるだろう」

そんな風に、考えてしまうものです。

他人の気持ちを推し量れる人、自分のことを差し置いても誰かのことを考える人、気遣いのできる人ほど、そういった思考になるのかもしれません。

けれども、その相手との関係性をよくする魔法の一つは、その相手の愛を「受けとる」ことです。

片方から与えてばかりだと、関係性はどこかで枯れるんです。

それは、陽気な日差しでもずっと続けば、植物も干からびてしまうのと、同じかもしれません。

日光を浴びる日もあれば、雨にうたれる日もあって、草木は成長します。

「受けとる」ことは、愛を循環させ、関係性を深めるための、とても大切な一部のようです。

ずっと与えてばかりだと、与えることに疲れてしまったりしますし、それを受けとる側が申し訳なさを感じてしまったりします。

「受けとる」ことが、相手との関係性をよりよくして、深めていく魔法の一つだというのが、昨日のテーマでした。

2.人生の転機は、「受けとる」ことからはじまる

私自身、振り返ってみても、何がしかの人生の転機だったなと感じることは、「受けとる」ことからはじまっているように思います。

「与える」とは、いわば「自立」の側であり、コントロールしたい立場です。

しかし、そこにずっといると、枯れるんです。

言ってみれば、燃え尽きるというか、デッドゾーンに陥るというか。

相手の喜ぶ顔が見たい、そういった想いからはじめたことであっても、

「なんのためにしているんだろう」とか、

「こんなことして、何になるんだろう」とか、

そういった無意味感というか、虚しさが芽生えてくるようになります。

それで済めばいいのですが、もっとひどくなると、強制的に「与える」ことができなくなったりします。

病気だとかの身体的な問題だったり、仕事上の問題だったり、経済上の問題だったり。

いろんな問題のある状況を引き起こして、「与える」ことが難しくなったりすることもあります。

これ、「問題が起こって、人生が悪くなっている」と見えるかもしれませんが、見方を変えれば、サインが出ているという風に見ることもできます。

「ここからは、受けとらないと進めませんよ」というように。

依存ー自立ー相互依存という成長プロセスでいえば、自立から相互依存に至るポイントであり、それは一番難しいプロセスでもあります。

いままで自分一人の力で生きてきたと信じたいものですし、自分ががんばってきたから、生き延びてきたと思いたいわけです。

だから、みんな拒否するんですよね、「受けとる」ことを。

ずっと、周りからどれだけ愛されてきたのかを。

自分がどれほど、誰かのために生きてきたのかを。

自分がどれだけの魅力や才能を秘めているのかを。

「受けとる」ことは、ほんとうに難しいものです。

3.愛を受けとらないのは、傲慢である

けれど、「受けとらない」というのは、ある種の傲慢です。

「あなたの愛は、受けとるに値しない」と、周りに対して言っているようなものですから。

もちろん、決して本人はそう思っているわけではありません。

むしろ、本人からすると、その逆です。

「そんなにたいそうなものを、こんなちっぽけで価値のない私めが、受けとるわけにはいかないんです」

本人からすると、そう思っているわけです。

ええ、わかりますとも…私めも、そう思ってきましたから笑

でもね、それは美しい謙遜にも、何にもならないんです。

その謙遜は、誰も喜ばせないですし、誰も幸せにしません。

強いて言うならば、自分のなかの小さなエゴを満足させるだけでしょうか。

「ほらみたことか、そんなステキなものを、受けとっちゃいけないんだよ」

愛を受けとらないことで、そんな風にエゴは満足げな顔をするかもしれません。

でもね、だまされてはいけません。

あなたが喜ばせたいのは、笑顔を見たいのは、誰でしょうか。

あなたは、そのたいせつな人を、あなたの傲慢さで、傷つけたいのでしょうか。

きっと、そうではないですよね。

そうならば、愛を受けとることです。

にっこり笑って、差し出された愛を受けとることです。

そこに、申し訳なさや、自分を恥じたいような気持が出てきたとしても。

その気持ちもそのままにしたまま、受けとることです。

ただただ、受けとることです。

それが、あなたも、あなたの大切な人も、笑顔にすることです。

今日は、愛を受けとらないことは傲慢さである、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

〇大嵜直人のカウンセリングの詳細・お申込みはこちらからどうぞ。

※ただいま12月度の個人カウンセリングを募集中となります。

〇カウンセリングのご感想のまとめはこちら。