大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

目に映る現実から、自分の本心が見えてくる。

目に映る現実が、自分の望むものではなかったとき。

そこから、自分の本心と向き合うことができます。

そんな見方について、お伝えします。

1.幸せを感じるために、条件を付けたがる心理

昨日の記事では、幸せを感じるために、条件を付けたがる心理、というテーマでお伝えしました。

幸せを感じるために、条件を付けたがる心理とは。 - 大嵜直人のブログ

とかく私たちは、幸せを感じるために、何がしかの条件をつけたがるものです。

「この問題を解決したら」

「罪悪感を癒せたら」

「コミットメントができたら」

といった感じでしょうか。

それは確かにそうなのですが、時にそうしたことが「条件付け」になってしまうことがあります。

逆に言うならば、「問題があるから、幸せになれない」という言い訳になってしまいがちです。

「言い訳」というと、ちょっと厳しく聞こえますが、私も実によく陥る思考です笑

そうした思考のパターンを見ていくと、「そもそも幸せになるのが怖いから、ずっと問題を探したり、条件付けをしようとする」という見方ができたりします。

なんか、とってもイヤらしい見方のように聞こえますけどね笑

昨日の記事では、なぜそうした条件付けをしたがるのか?というテーマを少し考えてみました。

2.「ここがロドスだ、ここで跳べ」

条件付けをすることで、自分に制限をかける。

これ、私も非常によく陥るパターンです。

「お金がないから、好きなことができない」

「忙しいから、旅行にも行けない」

「時間がないから、やりたい勉強ができない」

はい、思い当たる節がありありの私です笑

先ほどの幸せになる条件と、似たようなものです。

イソップ寓話に、有名な「ここがロドスだ、ここで跳べ」という言葉があります。

古代ギリシアの時代、「ロドス島の競技会で大跳躍をしてきた」と自慢する男がいました。

ロドス島の人に聞いてみれば、それが本当だと分かると主張するのですが、それを聞いた周りの人が「ここがロドスだと思って、ここで跳んで見せてよ」と言った、という寓話です。

スマホをポチポチすれば、競技会の結果なんてすぐに検索できてしまう現代では、そんな自慢をすることも難しいのですが笑

いろんなところで引用されている有名な言葉で、「論より証拠」といった寓意を示すとされるのですが、読み方によっては、まさに今日のテーマそのもののようです。

「お金があれば」「時間があれば」「チャンスがあれば」「準備ができたら」…そうした条件が満たされることは、なかなかありません。

おそらく、それは順序が逆なわけです。

「やりたいことがあるから、どうやったらお金を工面できるか」

「旅行に行く時間を、どうやって空けるか」

「勉強する時間を確保するために、何をやめるか」

といった具合に。

本当にやりたいことがあるなら、人はどうやってでもやるわけですから。

それをしていない、ということは…きっと、自分にとってやりたくないことなのでしょう。

3.目に映る現実と、自分の本心

人は、やりたいことがあるなら、全力でそうします。

そりゃあ、大好きなアーティストのライブのチケットが当たったら、何とかして遠征費用と時間を工面しますよね笑

それを逆から見ると、「いま」自分の目に映る現実は、自分の望んでいること、という見方ができます。

「望んでいること」とまではいかなくても、「いまの自分にとって、都合がいい」くらいではあるのでしょう。

先ほど、「時間がないから、勉強ができない」という例がありました。

表層的な意識として、「勉強がしたい、勉強しなくては」という想いが、そこにはあるのでしょう。

それは、資格を取らないといけないからとか、仕事で役に立ちそうだからとか、そういった理屈づけは、いくらでもできるのでしょう。

けれどもし、それが時間がなくてできないのであれば。

それを無理矢理にやろうとするのではなく、「自分は勉強をしたくないのでは?」と、自分の本心と対話してみることは、非常に重要なことだと思うのです。

「できない」のではなく、「したくない」。

そこで、「したくないなんて、おかしい」とか、「勉強しなくては」とか考えると、それができない自分を責めることになりますので、要注意です。

そうした正誤善悪の判断を抜いて、「自分は勉強をしたくないんだ」と認めてみると、見えてくるものがあります。

ほんとうに、自分がしたいこと。

自分自身の、心の声。

自分の本心。

そうしたものに触れることが、できるわけです。

目に映る現実から、自分の本心や本音が、見えてくる。

とても、大切な見方の一つです。

冒頭の幸せになるための条件、というテーマに置き換えてみるならば。

いま、幸せを感じられないとしたら、それを自分で選んでいる、と考えてみるわけです。

なんか、普通に考えると、変ですよね、「不幸せを選んでいる」なんて。

でも、そこには何か、自分の心のひだというか、織りなりというか、そうしたものがあるんですよね。

幸せを感じないでいることのメリット。

幸せになれない自分でいることで、得られるもの。

それは、なんだろう?

そう考えてみると、少し見えてくる世界が違ってきます。

目に映る現実を否定するのではなく、そこから自分の本心と向き合う。

カウンセリングのなかでも、非常によく出てくるテーマでもあります。

今日は、目に映る現実から、自分の本心が見えてくる、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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