与えたい人や、他人の心情を推し量れる人ほど、自分よりも周りの人を優先してしまうものですが、それは「犠牲」になりしんどくなってしまうものです。
誰かを大切にしたいなら、まず自分を大切にすることが必要です。
1.加害者と被害者、それぞれの心理
昨日の記事では、加害者と被害者の負の連鎖と、その抜け出し方、というテーマでお伝えしました。
加害者と被害者の心理的な負の連鎖と、その抜け出し方。 - 大嵜直人のブログ
心の世界を覗いていくと、一見そう見えることとは、逆のところに真実が眠っていたりします。
昨日のテーマも、その一例でした。
加害者と被害者。傷つけた者と、傷つけられた者。
分かりやすい例でいえば、恋愛の別れにおいて、振った側と振られた側、といった方が分かりやすいでしょうか。
その二つの立場があったときに、普通は被害者、傷つけられた側をケアすることに目が行きます。
もし自分が被害者の立場であれば、なおのこと、そうなのでしょう。
もちろん、傷や痛みをケアしていくことは必要なことです。
しかし、被害者が被害者で居続ける限り、いつしか加害者を責めるようになり、その立場が入れ替わってしまうようになります。
加害者と被害者は、その立場を入れ替え続けながら、心理的に癒着しやすいものです。
その負の連鎖、螺旋を抜けだすには、加害者の心理を理解することが、一つのヒントになります。
なぜ、あの人は暴言を吐かなくてはならなかったのか。
なぜ、あの人は悪態をつかなくてはならなかったのか。
きっとそこには、何らかの傷であったり、痛みがあるはずなのです。
もちろん、だからといって、誰かを傷つけていいわけでは、全くないんですけれどね。
けれど、その事情を、その内なる心の痛みを、推し量ることはできるわけです。
言ってみれば、被害者と同じくらいに、加害者もまた、ケアや癒しが必要といえます。
一般的な常識とは、逆に見えるかもしれません。
けれども、心の内面を覗いていくと、そうしたことが見えてくることがあります。
昨日の記事では、そんなテーマでお伝えしました。
2.誰かを大切にしたいなら、まず自分を大切にすること
今日は、そんな「一見そう見えることとは、逆に見えること」に関連したテーマを、引き続きお伝えしたいと思います。
この小見出しの通りなのですが、これは私が心理学を学ぶなかで、目からウロコだったテーマの一つです。
そして、「いや、そうなんだけど…」と、いまでも葛藤することの多いテーマです。
誰かを大切にしたい。
誰かを愛したい。
そう考える人は、他人を想うことのできる、やさしい心を持った人なのでしょう。
しかし、それを実現しようとしたときに、「犠牲」という問題が出てきます。
相手を大切にしたいがあまり、自分を犠牲にしてしまう、というパターンですね。
これ、ほんとによくやってしまうんですよね。
しかも、「相手のために」という想いが強ければ強いほど、やってしまうのが「犠牲」というものです。
「犠牲」とは、やっていることは素晴らしくても、その本人が充実感や幸せを感じられない行動を指します。
他者貢献は素晴らしいのですが、自分が疲弊してしまっていたら、元も子もないわけです。
自分が疲れてしまったら続けられないですし、もう一つの問題は、相手に罪悪感を与えてしまうことです。
どんなに素敵なプレゼントを贈ってもらったとしても、「借金して、お金を工面したんだ」とか言われたら、素直に喜べませんよね笑
これ、やっちゃうんですよね、ほんと。
「犠牲」から与えると、長続きしませんし、何より相手も受けとりづらくなっていきます。
そうならないためには、まず自分を大切にすること、まず自分を愛することが必要です。
3.自分への愛を、相手に映し出す
相手を大切にするためには、まず自分を大切にすること。
いろんな場面で、目にすることのあるテーマだと思います。
「シャンパンタワー」のたとえとかが、よくありますよね。
一番上のシャンパングラスが、自分自身。
そのグラスが満たされることで、その下のグラスも自然に満ちていく。
そんなイメージです。
あるいは、「投影」の視点から説明することもできます。
私たちは、自分自身をどう扱っているかを、周りの世界に映し出します。
自分に対して否定的な言葉や、ひどい言葉を投げつけていたとしたら、周りの人に対してもまた、同じことをしてしまいます。
その反対に、自分を深く愛することができるほどに、周りの人もまた、深く愛することができます。
私たちは、自分を愛した分だけ、周りの人を愛することができます。
誰かを大切にしたいなら、誰かを愛したいなら。
まず自分自身を大切にすること、まず自分自身を愛することから、はじまるわけです。
その順番を違えると、「犠牲」になったりしてしまいます。
どうしても、サービス精神旺盛な皆さまは、周りの人のことを優先してしまいがちなんですけれどね。
まず、自分を大切に。
まず、自分を愛する。
心に留めておいていただけると、「犠牲」をすることも少なくなるのではないでしょうか。
今日は、誰かを大切にしたいなら、まず自分を大切にすること、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
〇大嵜直人のカウンセリングの詳細はこちらからどうぞ。
※次回4月度のカウンセリングは、3月24日(日)から募集開始となります。
〇カウンセリングのご感想のまとめはこちら。