「自立」の傾向にあるは、「競争」することで疲弊しやすくなるという傾向があります。
その「競争」を手放すためには、まずは自分が何と「競争」しているのかに気づくことが一歩目になります。
1.「自立」と「競争」
私たちの心は、「依存」から「自立」へと成長していきます。
「自立」の先には「相互依存」のステージがあるのですが、今日は「自立」のお話です。
「自立」とは、何でも自分でやろうとする時代といえます。
その原動力となるのは、「依存」の時代に満たされなかった想いや、傷ついた痛みです。
「もう、あんな痛い思いはしたくない」という想いから、「自分で何でもできるようになろう」と頑張ろうとするのが、「自立」の始まりといえます。
そこで、私たちは自分でできることを広げていくことができるのですが、その裏側には「満たされなかった」という痛みや、「もっと愛してほしかった」というニーズが渦巻いています。
そうした痛みやニーズを抑え込むために、「自立」するほどに、私たちは何らかの強いルールを持つようになります。
「人を頼ったり、甘えてはいけない」
「弱音を吐いてはいけない」
「素の自分を出してはいけない」
…などなど、「自立」的な人は、さまざまな自分ルールを持っているものです。
このルールは、観念やビリーフ、正しさなどと呼ばれたりもします。
正しさ、と聞くと、なんだかいいもののように聞こえますが、そうとも言い切れません。
その「正しさ」をめぐって、周りの人と争ってしまうことがあるからです。
2.絶対に負けられない戦いが、そこにある
サッカーの日本代表のような見出しですね笑
それはさておき、「自立」の人は、何かと周りの人や組織、社会との葛藤を抱えやすくなります。
いつも、誰かや何かと争っているような、そんな状態。
たとえばサッカーでも、シーズン中は毎週試合がありますが、オフシーズンはあるものです。
けれども、「自立」の人は常に何かと争っていることが多いものです。
どんなスーパースターでも、ずっとトップコンディションでいることは難しいものです。
毎日、ずーっと試合が続いたら、疲れて切ってしまいますよね。
「自立」の人が疲弊するのは、常に争いから抜け出せない、ということが原因の一つです。
その争いとは、自分の持っているルール、正しさをめぐっての争いです。
先ほど挙げた、「人に頼ってはいけない」などのルールを持っていたとします。
けれども、周りには簡単に他人に頼ったり、甘えたりする人もいるわけです。
そして、自分自身の疲れていたり、いっぱいいっぱいになったりすると、誰かに頼りたくなるものです。
けれども、そのルールを破ることはできずに、葛藤して苦しくなります。
なぜ、そのルールを破る=負けることができないか。
それは、自分の決めたルールを破ることで、またあの「依存」時代に逆戻りすることが、とてつもなく恐ろしいからです。
先にも述べましたが、私たちがなぜ「自立」するかといえば、「依存」時代に強烈な痛みがあって、二度とそれを味わいたくないからです。
信頼していたのに、裏切られた。
自分が求めるように、愛してもらえなかった。
そうした痛みを二度と受けないように、私たちは自分のルールや正しさを築いていきます。
そのルールや正しさを曲げることは、あの痛みをまた味わうことになるのではないか、と怖れるわけです。
だから、私たちは「自立」するほどに、常に負けられない戦いをせざるを得なくなるわけです。
3.何と競争しているのだろう?
この「競争」を手放していくことができると、勝ちも負けもなく、お互いを尊重し合う「相互依存」のステージに足を踏み入れることになるのですが、なかなか一朝一夕には難しいものです。
そのための第一歩は、まずは自分が「競争」していることに気づくのが、大切になります。
「競争」とは、「負けたくない」という分かりやすい形で出ることもあれば、怒りの感情や、あるいは無関心といった形で現れることもあります。
「自分は、何と競争しているのだろう?」
その問いを考えてみることは、「競争」に気づくための、一つの有効な問いかけです。
いろんな「競争」の相手が出てくるかもしれません。
会社の同僚。
パートナー。
同い年の友だち。
別れた恋人。
父親。
あるいは、社会や文化風習のような大きなものかもしれません。
もちろん、すぐには出てこないかもしれません。
けれども、それは必ず問いかける価値のあるものだと思います。
どんな葛藤であれ、それが「ある」ことを認識することが、その解消に向けた一歩目だからです。
今日は、「自立」の症状の一つである「競争」についてと、その「競争」に気づくための問いかけについてお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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