大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

盛夏の空に、過ぎゆくものを想うこと。

今日は、なんのこともないエッセイです。

なんとなく、今日の空のことを、書き残してみたいと感じたのです。

 

それにしても、毎日暑いです。

私の住んでいる名古屋でも、ここ数日は体温よりも高い気温が続いておりました。

まだ梅雨明けの報も聞いていないのに…とは思うのですが、時候のことを考えてみれば、もうすぐ「大暑」。

一年のなかで一番暑いとされる時期なのですから、暑いのも当然なのかもしれません。

それにしても、以前はここまで暑くなかったように感じるのですが、気候がへんどうしているのでしょうか。

釣りが好きな友人の話を聞くと、一昔前に比べて、釣れる魚種は大きく変わっていると聞きます。

変わったままになるのか、それとも揺り戻しがあるのか、どうなのでしょうね。

 

さて、ここのところそんな暑い日が続いていたのですが、今日はふっとその暑さが緩んだようでした。

日差しは相変わらず、灼けつくようなのですが、どこかぼやけたような、そんな感じを受けるのです。

そして、ふっとした瞬間に吹く風に、驚くことに秋の気配を感じたのです。

「この風は、夏のそれじゃない」

この真夏の暑い最中、そんなことを感じる自分に、少し驚きもしました。

見上げると、空は完全に夏の色なのです。

けれども、吹く風の気配は、それが過ぎゆくことを教えてくれているようで。

そのギャップに戸惑いを感じて、しばし空を見上げたままになっておりました。

やはり、暑かったですが笑

 

子どものころ、この夏の色をした空が、とても好きでした。

何をするわけでもなく、ただ心が満たされるような、そんな感じがしたものです。

まあ、子どもにとっては、「夏休み」とあわせた思い出補正がかかっていることは、否めませんが笑

ただ、歳を重ねて不思議に思うのは、「これが夏の空だ」と思っていたものが、実はもう盛りを過ぎゆくころの空なのかもしれない、ということです。

なんだか、「これが夏だ!」と思っていたものが、「それは実は、秋も混じっているんだよ」と言われているようで。

なんでも、そうなのかもしれません。

甘味を強く感じるのは、ほんのわずかな塩味があるとき。

陰陽をあわらず太極図にも、黒の真ん中に白い点があるものです。

夏の盛りを感じるのは、それが過ぎゆくから。

けれども、過ぎゆくものははかなく、切ないものです。

また今年も夏がやってきて、過ぎていく。

見上げているだけで満たされるような夏空を眺めながら、その切なさを感じる、今日の日でした。