大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「真実」とは頭で理解するのではなく、感じるもの。

「事実」は理解できますが、「真実」を頭で理解しようとしても難しいものです。

無理にそれを理解しようとしたりせず、まずは感じることから始めてはいかがでしょうか。

1.「事実」と「真実」の違い

昨日に続いて、「真実」についてのテーマです。

心理学では、「事実」と「真実」は異なる、と昨日お伝えしました。

「事実」とは、誰が見ても同じできごとであり、客観的な事実を指します。

それに対して、「真実」とは、そのできごとをどう見るか、どう解釈するか、というものです。

十人いれば、十通りの「真実」があるともいえますし、その人なりの「真実」があるともいえます。

そして、その見方や解釈がポジティブに変わることを、「癒し」と呼んだりもします。

あの挫折があったからこそ、いまこうして充実したチャレンジの日々が送れている。

ひどいフラれ方をしてすごく傷ついたけれど、自分と向き合ういい機会になった。

どんなできごとであれ、そのできごと自体はニュートラルです。

そこに何らかの色付けをするのが、私たち自身です。

そして、「真実」とは、自分自身をポジティブな方向に導き、自分を含めて誰も傷つけないものであるといえます。

2.「真実」を頭で理解することは難しい

しかし、ここで難しいのは、「真実」を頭で理解することはできない、ということでしょうか。

反対に、「事実」は頭で理解することができます。

「今日の最高気温は30度で、昨日よりも5度も高い」

というのは、頭を使って理解することができます。

けれども、「真実」というのは、なかなかそうはいかないものなんですよね。

そして、それが自分にとってのコアな「真実」であればあるほど、なかなか頭で理解することは難しいことがあります。

たとえば、大失恋をした直後に、

「きっとこれから、もっといいパートナーにめぐり合えるさ」

と言われたとしても、すぐに「そうだよね!」とはならないですよね。

もちろん、それはそれで「真実」なのでしょうけれども、それを受け入れるのには葛藤が出るのも当たり前だと思います。

もちろん、それは極端な例かもしれません。

けれども多くの場合、「真実」を頭で理解しようとすると、何らかの抵抗が出てきたりするものです。

「でも…」「だって…」「そうはいっても…」

そう言いたくなるのが人情ですし、それが悪いことでもありません。

けれども、それを「こう考えるといいらしい」とか、「ポジティブに考えないといけない」などとしてしまうと、なおさら受け入れ難くなったりもします。

「真実」は、なかなか頭で理解しようとしても、難しいんですよね。

3.まずは、感じることから始めよう

だから、「真実」を無理やりに、頭ごなしに理解しようとしなくてもいいんだと思います。

そのできごとから、何を学ぶのか。

そのできごとを、どう解釈するのか。

そこから、何を得るのか。

どうしても、私たちはそうした「答え」を求めてしまいがちです。

そして、できるだけ早く、そのできごとを消化して、次に進みたいと思ってしまうものです。

だから、誰かの語る「真実」を、無理やり自分に当てはめようとしてしまったり、それを頭で理解しようとしてしまったりします。

そうすると、そこに葛藤が生まれて、なおさら苦しくなってしまうこともあります。

私も、ずいぶんとそうした葛藤で、回り道をしてきた気がします。

もちろん、それが無駄なことでもないですし、悪いことでもないんですけれどね。

そうして無理やりに頭で理解しようとするよりも、まずは「そのできごとから、何を感じるのか」から始めても、いいのかもしれません。

いえ、そちらの方が、「真実」に早くたどり着くように思うのです。

何を感じるのか。

悲しいのか。それとも、悔しいのか。

あるいは、寂しいのか。

もちろん、ネガティブな感情と向き合うのは、大変なことです。

自分一人でやろうとしなくても、いいと思います。

けれども、そうした感じる先に、ふっと沸いてくるものこそ、あなたのなかの「真実」なのだと思うのです。

それは、肚落ちするとか、腑に落ちるとか、そういった表現の方が近いのかもしれません。

「真実」を頭で理解しようとしない方が、いいんです。

それは、感じるものであり、告げられるものであり、そして与えられるものだからです。

少し、感覚的な話になってしまいました。

けれども、「真実」を無理に頭で理解しようとしなくてもいい、ということだけでも、お伝えできましたら幸いです。

今日は、「真実」とは頭で理解するのではなく、感じるもの、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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