やってもやっても、なかなか解決しない問題というものがあります。
何とかしたいんだけれども、なかなか自分の望む形に向かわない。
そんなときに、考えてみたい2つの見方があります。
1.なかなか解決しない、慢性的な問題
カウンセリングのなかでは、「なかなか解決しない問題」というテーマが出てくることがあります。
何とかしたいんだけれども、なかなか解決しない、解決に向かわない問題。
あるいは、ずっと抱えている慢性的な問題。
それはそれだけ、その人のコアな部分に触れるテーマであることは間違いはないのでしょう。
「問題の陰に才能あり」とは、心理学でよく言われるテーマですが、それだけ大きな問題の陰には、強烈な才能があるはずです。
もちろん、カウンセリングの中でも、そのような見方はベースになります。
親密感にずっと悩んできた人は、誰かの居場所をつくれる人なのでしょう。
破れた恋を思い悩んできた人は、それだけ深く人を愛することができる人です。
経済的な面で苦しい思いをしてきた人は、豊かさを与えられる人です。
自分をずっと否定してきた人は、それだけ誰かを受け容れる器のある人です。
そうした、才能から問題をとらえる見方は、一つの基本でもあります。
けれども、「そうはいっても…」というときも、ありますよね。
「才能なんて言われても、いまのこの苦しさは何ともならないんですが…」
そうやって、才能を受け取ることを拒否しているともいえなくもないのですが、今日は、少しその才能とは別の視点で見てみたいと思います。
問題が目の前にあり続けるときに、考えてみたい2つの可能性です。
2つの可能性ではありますが、どちらにしても「自分でなんとかできる」という結論になる見方です。
2.考えてみたい2つの見方
自分にはその問題を解決する力がないことを認める
一つ目の見方は、「その問題を解決する力が、いまの自分には無い」という見方です。
言葉面は、身もふたもないような、厳しく見えるかもしれません。
けれども、意味するところは、その逆です。
私たちが頭を悩ませるのは、いろんな問題があります。
仕事、パートナーシップ、人間関係、お金…実にさまざまな問題がありますよね。
しかし、もしそうした問題が、自分の目の前にあり続けるのだとしたら。
その問題を解決する力が、いまの自分には無い、といえます。
そりゃ、そうですよね。
解決できる力があるんだったら、もうとっくに解決しているのでしょう。
けれども、その力が、いまの自分には無い。
それを認めることは、とても大切なことです。
それを認めてしまえば、自分のすべきことが見えてくるからです。
「いまの自分にないのであれば、成長することが必要」
「自分にその力がないのであれば、誰かに助けを求める」
そのいずれかの動きが取れるはずです。
それはどちらにしても、膠着した問題を動かしていくことができます。
自分がベストを尽くしていない
さて、もう一つの可能性です。
それは、「自分がベストを尽くしていない」という可能性です。
これは、問題を解決する力が自分自身にはあるのだけれども、何かの原因でベストを尽くしていない、という可能性です。
その原因となるのは、悪い意味でのプライドだったり、つまらない見栄や意地だったりします。
愛の出し惜しみ、という表現も、よく使います。
何か引っかかるものがあって、自分を出し惜しみして、ベストを尽くしていない。
だから、問題は問題であり続ける、という見方です。
これも、結構耳の痛い話ではあります。
さて、この可能性の場合の解決策は、もちろん「ベストを尽くす」になります。
もちろん、「言うは易く行うは難し」なのではありますが笑
3.自分が望んだ形とは異なる形で解決するのかも
問題が目の前にあり続けるときに、考えられる2つの可能性を見てきました。
いずれの見方にしても、大切なのは「自分の問題は、自分で解決することができる」という点であるといえます。
それは、自分の力だけで解決できる、ということではありません。
もし、いまの自分に問題を解決する力が無いのだとすれば。
その問題を解決することのできる自分へと、自分を引き上げる、成長させることができます。
よく言われる、「できないことは、『伸びしろ』である」という言葉も、そういった意味ですよね。
そして、解決する力が自分に無いことを認めることができれば、誰かの力を頼る、という選択もできるようになります。
「助けてほしい」と周りに言えること。
これが、とても大きいんですよね。
そして、問題を解決する力が、自分のなかにあるのだとしたら。
自分のできるベストを尽くすことが、求められるわけです。
この2つの見方の素晴らしいところは、どちらの場合でも、自分以外のせいにすることがない、という点です。
あくまで、主導権は自分自身にあり、主体的に問題と向き合うことができるのが、この2つの見方の恩恵といえます。
なかなか解決しない問題があるのは、誰でもしんどいものです。
そんなときは、今日挙げた2つの可能性を見てみてはいかがでしょうか。
もちろん、最初に述べたように、そこには大きな大きな才能があるからこそ、というのは大前提なのですけれどね。
今日も、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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