「つながり」とは、心と心が寄り添い、相手との境界線が溶けている状態であり、私たちの想像力がその架け橋となります。
それゆえ、たとえ相手と物理的に離れていても、「つながり」をつくることができます。
1.想像力という架け橋を失わないために
昨日の記事では、「許し」に必要な「想像力」をテーマにしてお伝えしました。
自分のことに精一杯だと想像力は失われ、他人を感情的に理解することが難しくなる。 - 大嵜直人のブログ
「許し」のプロセスのなかで、「感情的理解」というものがあります。
目に見える相手の言動や、起こっているできごとそのものを判断するのではなく、その相手の「感情」にフォーカスしていく理解の仕方です。
「あの状況だと、彼はこんなことを感じていたのかもしれない」
「もしそうだとしたら、あんなことを言うのも無理は無いかもな」
「私がもし同じ状況にいたとしたら、彼と同じことをしたかもしれないな」
言動やできごとの正誤善悪を判断するのではなく、それを感情ベースで見ていく理解の方法です。
それにより、相手やできごとに対する見方が変わっていくのが、「許し」のプロセスです。
もちろん、他人の心情や感じていることを、完全に正確に理解することは難しいですし、そもそもそんなことは誰もできないのかもしれません。
しかし、ここで大事なのは、「正しく」理解することではありません。
それより、「もしかしたら、こうかもしれない」という可能性を認めることの方が、ここでは大切になります。
そのために必要なのが、相手の立場や状況から、その相手の感じていることを推し量る「想像力」です。
その「想像力」とは、私たちに与えられた、他人との間をつなぐ架け橋といえます。
けれども、自分のことでいっぱいいっぱいになっていると、私たちはこの「想像力」を失ってしまいます。
だから、「許し」のプロセスを歩むにしても、まずは「自分をいたわる、満たす、愛する」ことからはじめましょう、というのが昨日のテーマでした。
2.想像力がつくる「つながり」
さて、今日はこの想像力がつくる「つながり」について、もう少し見てみようと思います。
自分自身と相手との間には、さまざまな距離感があります。
たとえば、つながりが切れてしまっている「分離」という状態もあれば、
二人の領域が重なってしまっている「癒着」の状態もあったりします。
そのような状態のとき、私たちは非常に生きづらさを感じてしまうものです。
「つながり」とは、そうした分離でも癒着でもありません。
相手の心と自分の心が、寄り添っている状態。
お互いの境界線が溶けている状態。
それを、「つながり」と呼ぶのでしょう。
「つながり」があるところには、人は深い安心感を覚えますし、生きていること、いまここに存在していることへの深いよろこびを感じられるものです。
「つながり」をつくるためには、相手の存在をそのままに認め、受け入れる必要があります。
この部分はいいけれど、こっちの部分はダメ、という状態だと、どこか断絶を感じるものです。
相手の存在を、そのままに認めること。
そのために必要なカギが、先に書いた「感情的理解」であり、「想像力」です。
注意したいのは、「相手のすべての面を愛さないといけない」というわけではない、ということです。
そんなことは、ロマンス期の恋人同士にしかできないものです笑
聖人君子のごとく、すべてを受け入れ、愛そうとしてしまうと、苦しくなるものです。
そうではなくて、相手のいろんな面があることを、認めること。
そこには、「想像力」が求められるのでしょう。
3.相手がいなくてもつながれる
不思議なことですが、この「つながり」は、物理的な接触がなくてもつくることができます。
もちろん、握手をしたり、ハグをしたり、身体的な接触からの「つながり」もあります。
けれども、今日のテーマで触れてきたような「つながり」は、相手と物理的に離れていても、つくることができます。
これまで触れてきたように、「つながり」とは想像力を翼にして、相手の心との間に架け橋をかけるものだからです。
だから、たとえ物理的に離れていたとしても、その相手のことを想うこと、幸せを願うことは、私たちの心に大きな安心感と豊かさを与えてくれます。
これは、多くの人が実感として分かっていることではないでしょうか。
もちろん、自分の状態を整えておかないと、その離れた相手と心配やネガティブな感情でつながってしまうこともあります。
だから、繰り返しになりますが、「まずは自分」を整えることが大切なものです。
そして、もう少し言うならば、その相手がこの世にいなかったとしても、「つながり」をつくることができます。
少し、あやしい感じに聞こえてしまうのですけれどね笑
でも、それは本当だと思います。
「つながり」をつくるのも、それを切ってしまうのも、私たち自身なのですから。
今日は、「つながり」と想像力という架け橋、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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