大嵜 直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー見習い。

目の前の季節を、そのままに。

時に清明。

虹始見、にじはじめてあらわる。

 

春の深まりとともに、大気は湿り気を帯び、虹が見られることが多くなるころ。

 

そんな時候の通り、今日はぽつりぽつりと冷たい雨が落ちる日だった。

残念ながら、虹を見ることはできなかったが、季節は歩みを止めず。

ただ、流れていく。

 

名残惜しい桜は、もう新緑の葉をめいっぱいに広げ。

それと入れ替わりに、例年より少し早いツツジが、路傍で咲き乱れる。

あるいは、青系統の色を差した花たちを、見かけるようになる。

 

見たいもの。

見たくないもの。

 

そこにあったもの。

失いたくないもの。

 

いとしいもの。

忌むべきもの。

 

人の思惑とは関係なく、時は流れ、季節はめぐる。

 

ただ現れ、ただ在る。

そして、ただ過ぎ去っていく。

 

季節のめぐりを愛でることは、自分を愛ることに似ている。

ただ、目の前にあるものを、そのままにしておく、ということ。

 

ただ、

桜が散れば、ツツジの咲き方を愛で。

陽が沈めば、浮かぶ月の輝きに心を寄せ。

雨が降れば、虹を心待ちにして。

 

同じように、

悲しみが訪れれば、温い涙に暮れ。

寂しさがやってくれば、人の温もりを想い。

怒りを噴き出れば、その熱を隠さず。

 

目の前にある日常の細部に、すべてが宿る。

それを愛することは、世界を、そして自らを愛すること。

 

ただ、そのままに。

流れるものを、そのままに。

 

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