大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

桜が散り、そしてツツジが咲くこの世界の美しさ。

桜と、入れ替わるように咲くツツジ

桜の花と入れ替わるように、ツツジが咲きはじめました。

ツツジといえば、5月の連休あたりのイメージなので、ずいぶんと早いものだと感じます。

持ちうる力を集中させ、一瞬で咲き、そしてその花弁を散らせていく桜。

その潔さは美しく、人の心を惹きつけるものです。

されど、その桜と入れ替わるように咲くツツジもまた、美しいものです。

生命力の塊のような蕾が膨らんでくると、新緑の季節の訪れを感じさせてくれます。

そして、濃淡のついたピンクや、純白などの鮮やかな色の花弁を開かせる。

その鮮やかさは、微かに夏の気配を感じさせるようです。

桜と入れ替わるように咲く、ツツジの花。

実に、美しいものです。

桜とツツジ、それぞれの散り方の美しさ

しかし、ツツジの花の終わりは、桜のそれとはずいぶんと違うようです。

ツツジは自らその花弁を落とすことができないそうなので、しおれたその花をよく見かけます。

しおれた、ツツジの花。

潔く散る桜とは違いますが、それはツツジがツツジであるからこそ。

その姿もまた、ツツジらしさであり、美しいものです。

潔く散るだけが、美しさではなくて。

しおれたその花弁を見せてくれるのも、ツツジだからこそ。

それはまた、美しいものです。

もしも、あなたが誰かになろうとしたら

もし、ツツジが桜のように散ってしまったら。

この時期の喜びは、また少し違ったものだったのかもしれません。

そして、夏の気配を感じることも、少なかったのかもしれません。

あるいは、美というものが、とても偏狭なものであったかもしれません。

ツツジが、ツツジであったからこそ。

だからこそ、この世界は美しく、また豊かであるようです。

同じように。

もしも、あなたが誰かになろうとしたら。

そのことで、この世界は少し寂しいものになってしまうのかもしれません。

あるいは、誰かに与えられるはずの豊かさが、なくなってしまうのかもしれません。

そんなはずなない?

いえ、そんなことは、あるんです。

だって、ツツジが咲き誇らない世界は、美しくないのですから。

あなたがあなたでいること。

それは、何よりも美しく、大きく世界に与えることの一つです。

そこに、何の否定もいらないと思うのです。

あなたがあなたでいることが、何よりも美しい

桜が散り、ツツジが咲く、この世界の美しさ。

それは、あなたがあなたでいることが、何よりも美しいことのあらわれのようにも思えます。

すぐには信じられなくても、大丈夫です。

そんなときは。

ただ、この時期に散る、桜の花びらに身を浸していましょう。

ただただ、この時期に咲きほこる、ツツジを眺めていましょう。

そこに感じる美しさは、すべてあなたのものであるのですから。