大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

同時代に生きる

いらっしゃいませ・・・

ときに笑って夢を語りあったり、ときに沈んだ話に耳を傾けてもらったりしながら、ときに肩をたたき合いながら、美味しいお酒を呑める友がいる。

それだけで人生のだいたいのことはオールOK、そんな風に私には思えます。

今日は、そんな友人に寄せた言葉をご用意いたします。


 

同世代。

たとえば私は「松坂世代」で、あの甲子園の熱闘をお兄ちゃんや若い子が頑張っている姿ではなく、同学年の高校生の活躍としてリアルタイムで見ていた。

それだけに今の松坂選手の怪我との苦闘にエールを送りたくなる。

その方とは、同じように同じ仕事に必死になり、人間関係に悩み、時にいろんな話をした時間を過ごした。

感情を切って親密感への怖れ満載で、周りと一定の距離しか取れなかった当時の私にとって、その方の時に不器用なほどにまっすぐな眼差しと、その女性らしい豊かな感受性と、瑞々しい芸術性は眩しかった。

同じ年代に、同じ社会の空気感と環境と時間を共有すること。それはある種の奇跡のように思える。

「人生は完璧で、何一つ無駄なことはないこと。」

ある時期に私が出会った、とても素敵な方のブログのそんな言葉をいま書きながら思い出している。

同世代として、松坂選手と同じように、その方にこれからもエールを送ろう思う。

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2017.5.31


 

世代感覚やジェネレーションギャップというものはどの世代にもあって、子どもの頃や青春時代に流行ったおもちゃ、漫画、映画、音楽の話題は、必ず盛りあがる酒の肴になりますよね。

先日、気の置けない友人の方たちと飲んでいたのですが、誰かが何かの拍子に開いたパソコンの動画サイトの「〇〇年代ヒット曲集!」でだいたい1時間は盛り上がってしまいました。歌謡曲やポップスとなると、思春期に興味を持ち始めるものでしょうから、私にとって一番のヒットはやはり90年代でした。

あー、この曲、通学の電車でずっと聴いていたな・・・とか、片想いの人が好きだって言ってた甘酸っぱい思い出の曲・・・とか、このアーティストに憧れてファッション揃えたけど全然似合っていなくて黒歴史だな・・・とか、友達とカラオケでよく歌っていた十八番とか・・・。

これが80年代で2000年代でも、少しズレているんですよね。あまり知らなかったり、流行っていたけど、あまり思い入れがない曲が多かったり。不思議ですが、やはり以前お話しさせて頂いたように、人は18歳頃に聴いていた音楽を長く聴く傾向があるのかもしれません。

 

少し話が外れました。

その世代感覚ですが、ほんとうに同じ時代の肌感覚を共有できるのは前後1年くらいではないかな、と最近思っています。それ以上歳が離れると、何かが違う世代感覚を覚えます。あ、もちろん世代感覚が共有できないから悪い、ということではもちろんありません。あくまで感覚を共有できるかどうか、というだけの話で、そこに判断はありません。

たとえばコミュニケーション一つをとっても、私の高校時代は「ポケベル」なるものが普及しだした頃でした。今では信じられないと思いますが、朝の駅の公衆電話に高校生がテレカを片手に行列を作っていたのです。思春期に友人と四六時中連絡が取れる世代と、自宅に電話するしかない世代とでは、やはり大きくものの考えが変わるでしょう。また、ポケベルから携帯電話に移行していた世代や、スマホが普及しだした世代、メールだけではなくてSNSが身近に利用できる世代とでも、異なるでしょう。

 

そんな中で、同世代と呼べる感覚の人が近くにいるのは奇跡のように思えるのです。学校で、クラブで、会社で、習い事で、趣味で。同じ年代に、同じ年齢の経験をしてきている。それはいろんな前提条件を外すことができる魔法のようです。

たとえ、しばらく会っていなかったとしても、会って話をするとタイムマシンにでも乗ったかのように、その時間を過ごした当時に戻った感覚で話ができる。もちろん、意識はいまの自分なのですが、それは不思議な感覚です。

当たり前に顔を合わせていた時には、それはあまり分からないかもしれません。今日の言の葉にあるように、私もその当時は見栄を張ったり、嫉妬があったり、親密感への恐れがあったりして、与えられるものにまるで応えられていなかったように思います。親しい人との離別で傷ついた分、友人から差し伸べられた温かい手を掴むことが怖かったのですね。

 

けれど、それでいいのです。

人生は完璧で、何一つ無駄なことはありません。

必要なものは、必要なときに与えられます。

そして、

いま逢うべき人に、必ず出会うようになっている。

そんなふうに、いま私は思っています。

 

お客さまにとっての同時代を生きる大切な方々は、どなたでしょうか。

今日はぜひ、その方たちと同時代に生を受けた奇跡に乾杯しましょう。

どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。