感情を感じ尽くすと、周りの現実が変わることがあります。
それはとてもとても不思議なことなのですが、私も今まで蓋をしてきた感情を感じた後にいろいろと変化がありました。
なぜだろうと考えていたのですが、「風が吹けば桶屋が儲かる」の方式で、内面の変化がめぐりめぐって外界に影響を及ぼすのだと今は思っています。
感情というと、世間一般では割とネガティヴな、マイナスのイメージを持たれることがあります。
「感情的な人」というと一般にはあまりいいシチュエーションでは使われないですし、面倒な女、女々しい男という表現があるように、どうしてもめんどくさいものと捉われがちです。
何よりも感情を感じるのは怖いものです。感情よりも理性が優先される男性にとっては、なおさらそうですね。
さらには、先日こちらでお話ししたように、
心に傷があったり過剰に他人を意識していると、無意識のうちに感情を感じることに蓋をしてしまうこともあります。
しかし、人を人たらしめている最も大きなものの一つは、この感情だと思うのです。
それは誰の心の中にでもマグマのように煮えたぎったり、こごえる吹雪の中で固まったり、春のうららかな暖かさのようであってり、日々うごめいているものです。
それを感じることを止めてしまうと、流れが淀むわけです。イヤな感情を感じるのを止めようとしても、一つだけ止めることは出来ないので、楽しい嬉しいといった感情を感じることも一緒に止めてしまうわけです。
すると世界は灰色になり、豊かさは失われます。
そうならないためには、イヤな、切ない、見たくない、蓋をしてきた感情を感じ尽くすことがときに必要なのかもしれません。
そして感情を感じ尽くすとは、誰かにそれをぶつけたりすることではありません。自分の感じていることに、ただ寄り添ってあげることです。
そうだよね、悲しいよね。
辛かったよね。
イヤだったよね。
愛してほしかったよね。
それをすることができたら、私たちはほっこり暖かくなります。自分の感じていることを大切にできた分、自分への信頼が芽生えます。この自分への信頼が大きいのですね。
私たちの周りの現実を変えるのは行動です。
そして、行動を支えるのは勇気です。
そして、勇気とは自分への信頼です。
感情を感じ尽つくすと、現実が変わるというのは、自分への信頼から勇気を持って行動できるようになるから。そんなふうに思うのです。
そして、往々にして男性にとっては「涙」、女性にとっては「怒り」が感情を解放する契機になるような気がします。
厳しい寒さの中にも春の芽吹きがあるように、私たちの心の奥底には感じられるのを待っている感情が眠っているのかもしれません。すこし心の声に耳を傾けてみる時間を取ってみてはいかがでしょうか。
どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。