誰かに腹を立てたり、怒りを感じるとき。
その感情は、じつは長い間抱き続けていた古い痛みにふれるための、「引き金」なのかもしれません。
癒せるタイミングだからこそ、その感情が上がってきたと見ることもできます。
そうした痛みの捉え方と、その対処法についてお伝えします。
名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。
1.腹がたった本当の理由は、あなたが考えていることではない
私たちはたいてい、自分自身とあまりつながっていません。
ですから腹がたったときも、本当は自分が何に腹をたてているのか、まったく気づいていないのです。
よくあるのは自分を混乱させたり、感情をごまかしたり、気を散らしたり、あるいは実際に起こったこととは違う説明で理論づけたりします。
あなたが腹をたてている理由は、もっとずっと深いレベルの意識、つまり潜在意識や無意識からきているのかもしれません。
だれかに腹をたてているときは、このことに気をつけて自分を見てください。
いまあなたのなかにあがってきた感情は、じつは非常に長い期間抱きつづけてきた感情にふれるための「引き金」にすぎない、と考えてみましょう。
奥深くにあった古い痛みを外に出し、癒すために、いまこのとき、引き金をひいたのです。
本当に自分自身とつながっていけば、どんな種類の痛みであれ、そのどれくらい多くが過去からきたものであるかがわかてくるでしょう。
実際、ほとんどすべての痛みは過去からきているのです。
もともとの痛みが、いったいどこからきているのかについて相手に話していくと、あなた本来の自然な自己表現やコミュニケーションがよみがえってくることでしょう。
「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.82
2.表面に見える痛みの奥に潜む、古い傷
その感情は、どこから来たのだろう?
今日のテーマは、表面的な痛みと、その奥に潜む古い傷についてです。
腹が立つような、怒りを感じるような出来事があったとして。
その怒りの原因は、自分が考えていることとは、別のところにあるというのが、今日のテーマです。
目の前に現れる不快な出来事は、いわば「引き金」である、という見方です。
その本体は何かといえば、「古い痛み」である、と引用文では言っています。
よくあるのが、パートナーに対して感じている感情が、実は昔々に、親に対して感じていた感情であった、というものです。
カウンセリングなんかでも、よく出てくるお話です。
パートナーは、そうした古い痛みを、呼び起こす役目を演じてくれているだけなのだともいえます。
そう見ていくと、そのネガティブな感情を、そのままパートナーにぶつけただけでは、解決しないことが分かります。
もちろん、そうしたくなってしまうものですけれども笑
その感情についてコミュニケーションを取る
そうではなくて、その感情を感じ尽くす。
そして、その感情のルーツについて、パートナーとコミュニケーションをとっていくこと。
それが、古い痛みを癒す、ということだと。
これは、勇気と根気が要るチャレンジではあります。
自分一人で感じるのが、難しいこともあるでしょう。
信頼できる人なんかに、話を聞いてもらったり、助けを求めるという試みが必要になってくるかもしれません。
けれども、こうした試みは、本当にその人の器を大きく広げてくれます。
大切なのは、その感情は「癒される」ために、いまここに上がってきた、ということなのでしょう。
引用文の冒頭にある通り、自分とつながることのできるタイミングが訪れたからこそ、その感情が上がってきた。
それを知っておくだけでも、違うのかもしれません。
3.自分だけでやろうとしない
ここまで書いてきたようなことは、自分一人ではなかなか気づかないものです。
もちろん、自分の感情を感じることができるのは、自分だけです。
痛みや傷を癒すことができるのは、自分だけです。
どこまでいっても、自分と向き合うことは、自分の問題です。
しかし、感情という主観的なものを、客観的な視点で見ることは、非常に難しいものです。
引用文にある通り、私たちは簡単に自分をごまかしたり、気を逸らしたり、違う理論づけをしたりしようとします。
無意識的に、そうしてしまうこともあります。
そう考えると、やはり信頼できる誰かの力を借りる、ということも大切になるのでしょう。
誰かと話すことを通じて、自分を見つめることができます。
「話す」ことを通じて、自分の感情を「放し」、より深く自分と向き合うことができます。
自分と向き合うために、誰かの力を借りること。
それも重要なことなのでしょう。
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