何でも、それに至るまでの過程・プロセスが一番楽しいものです。
夢でも希望でも目標でも、それが叶うことももちろん喜びなのですが、それよりもそこに至るまでのプロセスそのものが、よろこびの源泉のようです。
懐かしの国民的TVゲームを、偏執狂のようにやりこんでいた日々に寄せて。
パズドラしかり、何とかしかり、最近はゲームというとスマートフォンのアプリでプレイできる時代になりました。
私はというと、今は全くゲームはしなくなりましたが、1980年生まれの私がちょうど小学生になる前くらいにテレビゲームの先駆けとなる「ファミコン」が世に出回り始めた時代で、ゲームというとテレビゲームのイメージが強いのです。
そんな私もご多聞に漏れず、国民的ゲームの「ドラゴンクエスト」の洗礼を受けた一人でした。
プレイヤーが主人公=勇者となり、竜王にさらわれた姫を助けるために世界を冒険し、魔物と戦ったり、困っている人を助けたり、街の人の話からいろんな情報を集めたりして物語を進めていくというゲームです。・
その「ドラゴンクエスト」の中で、私は4作目がとても好きでした。
第1章から第4章まで別々の主人公の物語を進めていきます。
第1章・バトランド王国の戦士のライアン。
第2章・サントハイム王国のアリーナ姫、神官クリフト、教育係のブライ。
第3章・世界一の武器商人を目指すトルネコ。
第4章・父の仇を探して旅をする姉妹の占い師ミネアと踊り子マーニャ。
それが最後の第5章に入ると、主人公=勇者のもとに第1章から第4章までの主人公が順番に仲間として集まり、物語はクライマックスを迎えていくという、心憎い演出。
「導かれし者たち」というカッコいいサブタイトルとも、ものすごくマッチして子供心をくすぐられたものです。
さて、そんなドラクエ4。
最終的に勇者と7人の仲間と旅をすることになるのですが、だいたいレベルが40前後で本編のラスボスを倒してエンティングを迎えることができたように覚えています。
「レベル」というのは魔物を倒して経験値を積んでいくと上り、レベルが上がると力が強くなったり、素早くなったり、新しい魔法を覚えたりと強くなっていくわけです。
もともとストレングスファインダーの上位資質に「収集心」「学習欲」がある、オタク気質のある私のこと。
大好きな「ドラクエ4」を普通にクリアするだけでは飽き足らず、また8人の仲間たちとお別れするのがしのびなく、ひたすらにレベルを上げ続けていました。
来る日も来る日も、経験値をたくさん持っている「メタルキング」「はぐれメタル」を狩り続けました。
ええ、アホの極みですね。
そしてとうとう、その日はやってきました。
8人全員のレベルが上限値の99まで達したのです。
達成感はそれほどなく、「ああ、終わってしまった」という感じを持ったことを覚えています。
もう主人公たちに叶う魔物もいませんし、買えない武具防具もありません。
そう、レベルを上げ尽くしたら「やることがなくなった」のです。
そこで当時小学生の私が取った行動。
それは、そっと「レベル99」まで上げた「冒険の書」(記録データ)を消去し、もう一度新しく最初からゲームを始めたのです。
腐るほど時間をかけたにもかかわらず、です。
アホですよね・・・
でも。
今となっては、思うわけです。
古今東西、人生は「旅」に例えられます。
そして「ドラゴンクエスト」のようなテレビゲームの多くが「旅」をテーマにしています。
つまり「人生」=「旅」、「旅」=「ドラクエ」。
ということは「人生」=「ドラクエ」という三段論法が成り立つ訳です。
とすると、「人生」=「ドラクエ」は何のためにプレイするのでしょうか?
ラスボスを倒して、エンティングを見るため?
それなら、なぜ「ドラクエ」を始めるのでしょうか?
私は「楽しむため」だと思うのです。
もっと言うなら、「仲間を集めて、経験値を積んで、強くなる過程を楽しむため」。
だとするなら。
もしも、仮にいま、
経験値が少なかったり、
お金が不足していると感じたり、
孤独を感じていたり、
何かができなかったりしたとしたら、
それはものすごく人生を楽しんでいる、といえるのかもしれないですよね。
だって、ドラクエでも、
レベルが上がらなくて弱い魔物に苦戦したり、
ゴールドが足りなくて「はがねのつるぎ」を買えなかったり、
仲間が集まってくる前の心細さだったり、
強い呪文が使えなかったりするときこそ、
一番楽しいんですから。
それこそオタク気質の小学生だった私のように、レベル99になっちゃったらやることがなくなっちゃいますから。
・・・とまあ大好きだったドラクエ4に寄せて、つれづれを綴ってみました。
まあそんな見方もあるかな、と思うだけでも、「人生」という壮大なゲームを楽しむきっかけになるかもしれません。
今日もお越し頂き、ありがとうございました。
どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。