大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

自分のことは、自分が一番わかっていないから。

自分のことは、自分が一番わかっていないものです。

でも、だからといって、わかろうとしなくてもいいんです。

そのために鏡があるのであり、他人が存在するのですから。

1.「自立」の人の弱さは、周りの人にはバレバレ

昨日の記事では、「自立」の人の内面的な弱さに、周りの人は気づいている、というテーマでお伝えしました。

「自立」の人の内面的な弱さは、周囲にはバレバレである。 - 大嵜直人のブログ

「自立」的な人ほど、その内面に弱さを抱えています。

「自立」の人は、なんでも自分でやろうとする傾向がありますが(そして、実際にできてしまうのですが)、それは「依存」時代に深く傷ついた反動なんですよね。

自分は何もできない、という無力感。

周りが自分の思い通りに与えてくれない、という不満や癇癪。

そうした痛い思いを「依存」時代にした分だけ、「もう、それなら自分一人でやる!」となるのが「自立」です。

もちろん、それによって実際に自分でできることが多くなるし、それによって周りに対してできることも増えるという、ポジティブな面が「自立」にはあります。

しかしその裏側で、「依存」時代に傷ついた自分というのは、まだ癒されずに残ったままのことが多いものです。

どれだけ自分ができることが増えても、「与えられていない痛み」や「どうしようもない無力感」というのは消えずに、そのまま自分の心の奥底で疼くんですよね。

この痛み、というか弱さを、当の本人は絶対に他人に見せないようにしているわけです。

「自立」には「負けてはいけない」という競争心がついて回りますから、それは当然ですよね。

弱みを見せるのは、負けと同義ですから笑

でも、これが隠せていると思っているのは当の本人だけで、実は周りにはバレバレなんです…というのが昨日のテーマでした。

そこに気づくと、隠しても隠さなくても、愛されていることには変わりない、と周りの愛を受けとれるようになったりもするのです。

2.気づいていないのは、自分だけというコント

今日は、その「気づいていないのは自分だけ」というところを、もう少し掘り下げてみたいと思います。

これ、「自立」の人が内面に抱える弱さもそうですが、他の面でも同じです。

もうね、「ショートコント:私だけが気づいていない!」みたなもんです笑

人の持っている資質や性格って、なかなか隠せないものです。

才能や魅力とかも、そうですよね。

さしずめ、草野球のチームの中に、メジャーリーガーが混じっていたら…そりゃ、バレますよね。

そして、それを無理に隠そうとすると、必要以上に疲れるし、自分がなんだかよくわからなくなるし、果ては無気力みたいな感じになってしまうし…ロクなことにならないわけです。

それは、噴火しようとしている火山を、無理やりに抑え込んでしまうようなものです。

でも、それは周りから見たら、バレバレですよね。

「うわ、めっちゃマグマ溜まってるじゃん!」とか、

「エネルギーあり余ってそう!」とか笑

それを、本人だけが気づかれていないと思っているわけです。

そして、気づかれたたらおしまいだ、とも思っている。

けれど、とっくの昔に、というか、それはもうバレバレなんですよね。

それがバレたうえで、周りの人は自分とつながっていてくれてるわけです。

だから、そうした我慢や抑圧を緩めることができると、すごく楽になりますよね。

「え?これ、隠さなくてもいいの?」と。

それまで抑圧に使っていたエネルギーを、もっと自分の本来の望みのために使ったり、あるいは、周りの大切な人に差し向けることもできるようになるのでしょう。

それが、自分を癒すということであり、自分を知るということでもあります。

3.自分のことは自分がわかっていない

ただ、そうしたことって、なかなか自分だけでは気づけないものです。

「隠したつもりでいても、隠せていない」とか、認めたくないですしね笑

これ、価値や才能といったものでも同じなのですが、自分のことは自分が一番わかっていないものです。

なぜなら、「投影」の心理がはたらくから。

自分ができることは、それを周りに投影するので、周りも簡単にできるはず。

だから、それは全然すごくもないし、たいして価値がないものと過小評価してしまうんです。

その反対に、自分が嫌っている面は、それを周りの人も嫌う、と見てしまうものです。

たとえば、自分の弱さを嫌っていると、世の中の人みんなが、その弱さを嫌っていると思ってしまう。

だから、自分の弱さを外に出すのが難しくなります。

でも、そうじゃないんですよね。

自分が息を吐くように当たり前にできることにこそ、才能は宿っているんです。

自分が蛇蝎のように忌み嫌う面こそ、愛する人にとっては愛おしい面なんです。

それは、自分一人では、なかなか気づけないものです。

 

自分のことは、自分が一番わかっていない。

でも、だからといって、わかろうとしなくていいんです。

自分で自分を見ることができないから、鏡という道具があるんですから。

できないことを無理にするのではなく、できる人にお願いすればいいんです。

それが、「自立」の先の「相互依存」の世界です。

だからこそ、他人とつながり、頼ればいいんです。

「あぁ、私のことは、私が一番わかっていなんだな」

そう認識するだけで、変わってくるものがあるはずです。

そういった意味では、カウンセリングもまた自分を知ることの一助になるのでしょうし、カウンセラーは自分を映し出す鏡なのでしょう。

クライアントさまの価値や才能を、余すことなく映し出す鏡。

私もまた、そのようなカウンセリングをご提供したいと思っております。

今日は、自分のことは、自分が一番わかっていないから、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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※次回12月度のカウンセリングは、11月25日(月)から募集開始となります。

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