大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

淡いピンクのボケの花に、名前の持つ力と往く春を想うこと。

朝から厚い雲が空を覆っていた。

予報を見ると、昼から小雨らしい。

すでに布団のシーツを洗濯機に入れて回してしまったことを少し後悔したが、最近花粉症らしき症状がひどくなってきたことを考えると、室内干しの方がいいのだろう。

はたして、お昼をはさんで雨は降ったものの、午後からは少し晴れ間も見えてきた。

昼寝から起きてきた小さな先生たちは、自転車を乗り回したいと主張する。

そらの雲はだいぶ切れ目が見えてきて、雨は上がって散歩をするのには問題なさそうだ。

ただ、外に出てみると3月も中旬なのに、マフラーをしたくなるほどの冷たさの風だった。

冷たい雨に濡れてだろうか、この前見たときには満開だった紅白の梅は、その花びらを散らしていた。

f:id:kappou_oosaki:20190318121309j:plain

季節は、移ろっていく。

冬のモノトーンに別れを告げる紅白の梅は、その役目を終えて、こんどは青々とした果実をつけようとしているのだろうか。

f:id:kappou_oosaki:20190317151849j:plain

春に咲く花は黄色が印象的だ。

タンポポ、そしてクチナシ、そしてこの花は何だろう。

f:id:kappou_oosaki:20190317154725j:plain

近所の公園では、花の名前を記した札が差してあった。

パンジー。これも鮮やかな黄色だ。

f:id:kappou_oosaki:20190317154737j:plain

異なる色のパンジーも。

こうも印象が変わるものだ。

f:id:kappou_oosaki:20190317154840j:plain

紅白から黄色、そしてさまざまな色へと。

f:id:kappou_oosaki:20190317154857j:plain

こちらもパンジー。

情熱の中にも少し優しさの宿る、オレンジ。

雨上がりの水滴が美しい。

f:id:kappou_oosaki:20190318122045j:plain

見上げると、少し晴れ間が見えていた。

f:id:kappou_oosaki:20190318121319j:plain

少し足を伸ばして川沿いの桜並木の道を。

桜まつりのぼんぼりも設置されて、あとは開花を待つばかりだ。

この寒さで、来週だと言っていた開花は少し遅れるのだろうか。

f:id:kappou_oosaki:20190317154827j:plain

川沿いにもいろんな花が咲き始めていた。

f:id:kappou_oosaki:20190317151838j:plain

この花はなんだ?

と聞く息子の声に、通りかかった初老の女性の方が教えてくれた。

ボケの花よ。

名前、といのは不思議なもので、それを知ったとたんに、いままで見えていたこの花の雰囲気が確かに変わったように感じる。

ボケの花。

こんにちは。

私の名前は、大嵜直人です。

つくづく、名前は不思議な力を持っている。

「ボケの花」は全国にたくさん咲いているのだろうが、今日いまこのときの「ボケの花」は、目の前にあるこの花だけのように感じる。

名前の、力。

植物ですらそうなのだから、愛を持ってつけられた人の名前には、もっとすごい力が宿っているのかもしれない。

f:id:kappou_oosaki:20190317151824j:plain

一緒に咲いていたこの花の名前も、その女性は押してくれた。

ユキヤナギ。

雪が舞っているような淡い白さの花。

春に咲くのも、またおもしろい。

f:id:kappou_oosaki:20190317154748j:plain

見上げれば、違う白の花が木に咲いていた。

この花の名前はなんだろう。

また調べてみよう。

モノトーンの色に春を告げる紅白の梅の次は、黄色い花が早春を彩る。

そして、その先には暖色の花たちが咲き誇ろうとしている。

あの淡いピンクの小さな花たちが、全国で一斉に咲くのは、もうすぐだろうか。

その姿を想像しながら、私はすでに往く春を惜しんだ。