雨水を過ぎたが、今朝は久しぶりに車のフロントガラスが凍っていた。
寒くなり、冷たくなり。
その繰り返しで季節は巡っていく。
山に積もった雪がゆっくりと解け出し、田畑を潤すといわれる「雨水」。
農耕を始める目安とされた節気だ。
七十二侯では「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」、冷たい雪が雨に変わり、大地を潤し、眠っていた動物も少しずつ目を覚ますころ。
冷え込みは変わらずとも、いつの間にか季節は流れている。
気付けば、道すがらに咲く花に目が留まる。
黄色い、花。
花の名前を調べてみると、「ヒイラギナンテン」というらしい。
ギザギザの葉が柊に似て、全体の雰囲気が南天に似ているから、ヒイラギナンテン。
ラーメンライスのような名前が、どこか可愛く。
名前を知ると、世界が広がる。
土質を選ばず、日向でも日陰でも花を咲かせることができると聞く。
その黄色は、どこか健気で、それでいてどこか力強く。
花は、いつも見る人に癒しと霊性を与えてくれる。
春は、黄色から始まる。
春は、もう近くまで。
同じ花が、どこかで咲いていて。