時に大寒。
七十二侯は、「水沢腹堅、さわみずこおりつめる」。
あまりの寒さに沢の水が凍りつき、厚く氷が張っている時候。
寒さも極まれり。
朝、バリバリに凍っている車のフロントガラスに、難儀する頃だ。
昨年は暖冬のせいか、凍らなかったように思うが、今年はよく凍るようだ。
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寒さは、どこか美しさとつながっている気がする。
それは、春の暖かさや、夏の輝き、秋のはかなさには、ないものだ。
冬の寒さのみが持つ、美しさが、確かに在る。
芽吹く命でもなく、それが栄える時でもなく。
穏やかに暮れゆくときでもなく。
凍えるような冬の景色にこそ、宿る美しさが、確かに在る。
嬉しさ、喜び、あたたかな、満ち足りた、幸せな…
そういった感情とは少し遠くにある冬に、美しさを強く感じるのはなぜだろう。
そして、なぜかそうした美しさに、私はこころ惹かれるのだ。