いよいよ、という感じの夏本番の暑さがやってきました。
時候は、一年で最も暑いとされる「大暑」。
七十二候では、「大雨時行(たいうときどきふる)」。
青空に浮かぶ入道雲が力強さを増し、時に夕立のように激しい雨が降る時候です。
そんな葉月のはじまり、熱田神宮を訪れることができました。
折しも、この名古屋地方はところによっては40度を超える予報も出ており、危険な猛暑日。
しかし、先月の方が暑く感じるのは、それだけ身体が慣れてきたのでしょうか。
それでも、駐車場に車を停めて降りると、日陰でもじんわりと汗がにじんできます。
見上げれば、まさに夏というような力強い入道雲と、青い空。
そして、熱線という表現がぴったりきそうな、太陽の光。
夏生まれだからでしょうか。
この暑さを感じる季節がくると、嬉しくなります。
冬の寒さには、そういった感覚を覚えることはないので、やはり私は夏が好きなのでしょう。
この暑さのせいか、参道にも人気が少なく。
歩いていると、すぐに汗が吹き出てきます。
クマゼミの合唱も、暑さをあおってくるようで。
額の汗をぬぐいながら、この夏の暑さを存分に味わっていました。
昔の私は、夏はどれだけ暑くても大丈夫だったのですが、ここのところは、そうもいかないようです。
ちゃんと給水と休憩を取りながら、休み休み。
歳を重ねたということなのか、それとも、夏の暑さがいままでとは違う暑さになってきたのか。
そんな、汗をふきふき歩いている私の前を、神鶏さまがひょこひょこと。
この暑さの中、それを感じさせない、元気なお姿。
どうも、今月もお世話になります。
そうご挨拶すると、一鳴きしてくださいました。
夏の朝、境内に響きわたる、鶏の声。
一筋の、清涼な風が吹いたようでした。
「こころの小径」が開くのを待つ間、ひらり、と木の葉が落ちてきました。
そういえば、今週末にはもう「立秋」、暦の上では秋のようです。
目の前にあるのは、こんなにも暑い夏なのに、見えないところでは、どんどんと季節は流れていっているようです。
夏の暑さは、いつもはかなさと寂しさが、結びついています。
陰極まれば陽となし、陽極まれば陰となす。
陽が極まると、どこか死を身近に感じるのが、私たちなのかもしれません。
今月もまた、無事にここに来れました。
その感謝を申しあげ、また汗をふきふき、参道をもどります。
帰り道には、神鶏さまはいらっしゃいませんでした。
また来月、お会いできるのを、楽しみに。
変わらず、太陽はじりじりとした熱線を、こちらに向けていました。