大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

厳しい寒さは、寄せては返す波のように。私たちの心も、また同じように。

一年で最も寒さが厳しい「大寒」。

七十二候では「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」。

山のなかの沢の水が凍りつき、厚く張り詰めるころ。

一年で最も低い気温が記録されることが多い時期でもあります。

その時候の通り、全国各地で最低気温が氷点下になっているようです。

私の住んでいる名古屋も、今朝はマイナス4度と、底冷えする寒さでした。

こんなことを言うと、北国の方に怒られそうではありますが笑

このぎゅっと締め付けるような、厳しい寒さを越えると、もうすぐ立春が訪れます。

この寒さのなか、「春」なんて、あまり実感もないのですが。

それでも、暦の上では、季節は流れていくようです。

 

さて、「傷つくならば、それは愛ではない」のシリーズがひと段落して、さて何を書こうかな、と思案しております。

しばらくは、余韻のように「傷つくならば…」のエッセンスをいくつか、項目立てて書いておこうかな、とも思っています。

いつもの道を歩きながら、そんなことを考えておりました。

見れば、ピンク色の小さな花。

真冬のやわらかな日差しを浴びて、どこか神々しさがありました。

心の余裕というのは、どこかに表れるものですが、私の場合は、こうした小さな美に目が留まるかどうか、ということが大きい気がします。

忙しいと、思考ばかりがはたらいて、なかなかこうした美に、目が留まらないものです。

しばらく、そのやわらかな光を、眺めておりました。

 

もうすぐ、立春。

されど、立春を過ぎても、すぐに温かくなるわけでもありません。

余寒、という言葉があるように、厳しい寒さが戻ってきたりしながら、季節はめぐっていきます。

私たちの心も、同じようなものかもしれません。

手放せたと思ったのに、また執着がぶり返したり。

許せたと思っても、また怒りが湧いてきたり。

癒されたと思っても、また傷口が開いたり。

そんなことを繰り返しながら、私たちの心もまた、季節と同じように流れていきます。

どれだけ厳しい寒さのなかにも、咲く花があり。

どれだけ厳しい寒さが訪れても、やがて蝋梅が咲き、梅の花は咲きます。

心を、流れるままに、そのままに。

それで、だいじょうぶ。

小さく咲く花は、そんなことを語りかけてくれるようでした。