大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

木漏れ日の下で。

飽きもせず蝉取りに行く息子について、また川沿いの道を歩いていました。

蝉時雨が降りそそぐ中、見上げれば木漏れ日が。

夏の力強い陽射しが、勢いよく生い茂る桜の葉の間から、差していました。

桜が満開だった、春の日。
その下を歩いていたことを、思い出していました。

よく晴れた、あの春の穏やかな日差しの下。
すべての桜の花弁が、それを見上げる私に向いて、微笑んでいました。

なぜ、そんなにも愛を向けてくれるのか。
不意に頬をつたう涙とともに、その桜を見上げていました。

そんなことを、思い出す盛夏の日。

いつか、今日この日も、思い出に変わるのでしょうか。
それもまた、うれしく、また、せつなく。 

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