大嵜直人のブログ

たいせつな何かをなくした心に、ともしびを。

大雨時行。 ~葉月の熱田さんを歩く

傘を買おうかどうか、迷っていました。

 

一か月ぶりに、熱田さんへ向かう道中。

出がけには日も見えていたはずだったのですが、徐々に厚い雲に空は覆われ、ぽつりぽつりとフロントガラスを雨足が叩いていました。

 

ここのところ、置き忘れたり、失くしたりすることがなかったのか、しばらく傘を買っていないような気がします。

家に帰ればあるはずなのに、傘を買うのはどこか負けたような感じがして、何とか止まないかなと思いながら、フロントガラスを眺めていました。

 

しかし、そんな私の思惑をよそに、雨はいつしか本降りになり、視界が煙るような降り方に変わっていきました。

 

大雨時行、たいうときどきふる。

まさに、いまの時候そのままのようです。

 

f:id:kappou_oosaki:20210803194540j:plain

 

結局、コンビニに寄って傘を買い、熱田さんの駐車場に着きました。

 

f:id:kappou_oosaki:20210803194530j:plain

コンビニで買った傘を差して歩く。

さすがに大雨のせいか、参拝客も少ないような気がします。

 

水の中にいるような、肌にまとわりつく感覚。

汗が吹き出てくる上に、強い風でスーツの下はすぐにベタベタになり、靴まで水がしみてきました。

 

f:id:kappou_oosaki:20210803194516j:plain

雨に濡れる、熱田の杜。

どこか、トトロが出てきそうな感があります。

 

昨日まで、あんなに青空が見えていたのに。

夏は、どこへ行ってしまったのだろう。

 

思いのほか、その雨と湿気は体力を奪うようです。

人は、高い温度には耐えらえても、湿度には耐えられない。

いつか聞いたそんなことを、思い出します。

 

それでも、雨の日にしか、見れられない風景があるようです。

 

f:id:kappou_oosaki:20210803194712j:plain

 

雨水の滴る榊。

 

こころの小径を歩いていると、雨の日に歩いた熊野古道を思い出します。

傘を叩く雨の音、踏みしめる足の音。

どこか、その一つ一つが、遠い場所に連れて行ってくれるようです。

 

f:id:kappou_oosaki:20210803194721j:plain

 

神鳥さんが、雨の中お出迎え。

 

晴れの日には、晴れの日を。

雨の日には、雨の日を。

 

それを味わうのが、いいのでしょう。

 

道中の驟雨と呼べるような雨に、今日は止めておこうかとも思いましたが、それでも来てよかった。そんなことを感じました。

 

参拝を終えると、雨はほとんど止んでいました。

せっかく傘を買ったのに…と思いましたが、そんなものなのでしょう。

 

f:id:kappou_oosaki:20210803194702j:plain

 

帰りの道中、車窓から見る空は、もう青空が広がっていました。

窓を開けると、少し湿り気を帯びた、打ち水をしたように涼しい風が入ってきました。

その風は、どこか秋の気配を帯びていました。

 

いや、まだまだ、夏はこれから。

そう思いながら、私は顔を出した陽の光を見つめていました。