自分を肯定する理由を、他人との比較や成果に置いてしまうと、苦しいものです。
そうではなくて、「いまここにあるものを認める」ことが、自己肯定の第一歩です。
1.形になっても、ならなくても
昨日の記事では、自分の「才能」の認め方、というテーマでお伝えしました。
「才能」の認め方と、パートナーシップの受け入れ方の相似。 - 大嵜直人のブログ
「才能」と聞くと、どうしても何らかの形になっているものだったり、結果を出しているもの、というイメージがあるものです。
もちろん、自分に与えられた「才能」を使って、誰かに何かを与えたり、誰かの役に立ったりすることは、とても素晴らしいことです。
しかし、それを何か形にしないといけないとか、目に見える成果を出さないといけないととらえると、とたんに苦しくなってしまうものです。
形になったりしているうちはいいのですが、何か歯車がかみ合わなかったり、うまくいかなかったりすると、「自分には才能が無い」とか、簡単に自己否定につながってしまうからです。
そうではなくて、ただ自分に与えられたものを祝福し、その与えられたことを喜ぶこと。
それが「才能」の認め方の基本であり、それはパートナーシップの喜びとよく似ています。
相手が何かできるとか、できないとか。
相手が何かを与えられるとか、そうでないとか。
そうしたことを超えて、ただただ、
「あなたと出逢えてよかった」
と感じることができるのが、パートナーシップの究極の美しさです。
それは、どんな「才能」を与えられたとしても、
「わたしがわたしでよかった」
と感じられることと、非常によく似ています。
昨日の記事では、そんなテーマをお伝えしました。
2.トーナメント方式の自己肯定には無理がある
あるものを、認める。
それは、「才能」だけに限った話ではなく、自分を受け入れること、認めること、自分を肯定することにおいて、最も大事なことといえます。
何がしかの成果や結果が出ていること。
目に見える形になっていること。
そうしたことは素晴らしいことですが、それを自分を肯定する理由や、自分のアイデンティティにしてしまうと、苦しくなります。
先ほどの「才能」と同じです。
これ、私はひそかに「トーナメント方式の自己肯定」と呼んだりしています。
何かが優れていることや、勝っていることで自分を肯定すると、それより優れているものに出くわしたときに、自分を肯定できなくなります。
要は、勝ち続けないと、自分を肯定できないわけです。
「勝ち続ける」というのは、「誰かの役に立ち続ける」とか、「誰かよりも優れた私でい続ける」とも言い換えられます。
そして、それをずっと続けることは、非常に困難です。
なんたって、トーナメントなわけですから、夏の甲子園よろしく、たった一つのチームしか勝ち残れない(=自分を肯定し続けることができない)わけです。
たとえ優勝できたとしても、次の大会が待っていますし、永遠に勝ち続けることなど、不可能なのでしょう。
ということは、トーナメント方式で自分を肯定しようとしても、それは原理的に無理なわけです。
3.あるものを認めることが、自己肯定の第一歩
では、「トーナメント方式」ではない、自分の受け入れ方、認め方、肯定のしかたとは、どんな感じなのでしょうか。
それは、「あるものを認める」と表現できるでしょうか。
もう少しいうならば、「いまここにあるものを認める」ということです。
自分に与えられたもの。
いま、ここにあるもの。
それを認め、受け入れる。
それが、自分を肯定することの基本であり、お料理でいうところの「ダシ」にあたるような、ベースとなる部分です。
さて、この「あるものを認める」と一口にいっても、なかなか難しいものです。
なぜなら、「いまここにあるもの」に気づいていないといけないわけですから。
そして、それに気づくためには、意識が「いまここ」にないと、気づけないものです。
それができないとき、私たちの意識は未来を憂いたり、過去を悔んだりして、いま現在から意識は遠ざかってしまっています。
そうした意識を、「いまここ」に引き戻すこと。
そのためには、いまの自分が感じていることに、自覚的である必要があります。
「わたし」が、いま感じていること。
それは、私たちの意識を「いまここ」に留めてくれるものです。
あるものを認めること。
それは、自分を肯定することの第一歩であり、そして基本です。
さて、あなたはいま、何を持っているでしょうか。
あなたの周りには、何があるのでしょうか。
もし、自分を肯定できなかったりして不安なときは、そこに目を向けてみてはいかがでしょうか。
思っているよりも、けっこうたくさんのものが、あるのではないかと思うのです。
今日は、「あるものを認める」ことが、自己肯定感の第一歩、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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