大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

自己受容をベースとした行動のすすめ。

「いまの自分を受け入れる」ことは、必ずしも「そのままでいい」「何もしなくてもいい」ということではありません。

自分を受け入れることの先に何を描くのかが、とても大切なことです。

1.自分を受け入れることと、甘やかすことの違い

昨日の記事では、自分を受け入れることと、甘やかすことの違い、というテーマでお伝えしました。

「いまの自分を受け入れること」と「自分を甘やかすこと」の違いは、どこにあるのか? - 大嵜直人のブログ

自分を肯定することの第一歩は、「いまの自分」を受け入れることです。

しかし、それを聞いてもどこか釈然としない感じがすることがあります。

「それって、自分を甘やかしているだけじゃないの?」、と。

自分を受け入れることと、甘やかすこと。

その違いはどこにあるのかと考えると、その線引きは実に難しいものです。

たとえば、なんか疲れているから、一日ベッドでゴロゴロしてYoutubeを見る日があったとして。

それは「疲れている」といういまの自分を受け入れているのか、それとも甘やかしているのか。

その境界線が、明確にあるかと言われれば、やはり「無い」のでしょう。

もしそれがあるとしたら、自分のなかにある基準だけです。

要は、自分がそれを決めているわけですよね。

だから、自分を肯定的に見ているときは、「受け入れている」となるのでしょうし、その逆に自分を否定しているときは、「甘やかしている」という視点になるのでしょう。

そう考えると、「受け入れているのか」「甘やかしているのか」のどちらが正しいかよりも、「自分が自分をどう見ているか」の方が大切なわけです。

自分を肯定していれば、「今日は、自分をキャラメルラテ以上に甘やかす日!」となって、一日ゴロゴロすることで、「いやー、よく甘やかしたなぁ、いい日だった!」となるのでしょう。

自分を否定的に見ていたりすると、「なんでこんなにもサボってしまったんだろう」と、一人反省会がはじまるわけです。

受け入れることも、甘やかすことも。

そのどちらかというよりは、自分が自分をどう見ているかの方が大切。

そして、誰もが自分に対しては、世界一厳しい目線で見てしまうものだから、「甘やかしている」と感じるときは、9割引きくらいで見た方がいい。

昨日の記事では、そんなテーマでお伝えしました。

2.自己否定は、メビウスの輪のように

この「甘やかしている」のかどうかよりも、自分が自分をどう見ているか、という視点は、ほんとうに大切なものです。

なぜなら、「甘やかしている」と感じて、なんらかの行動を起こしたとしても、あまりいい結果を導かないことが多いからです。

なんとなく、思い当たりますよね。

こう、ミスをして焦ってリカバーしようとして、さらに大惨事になってしまうみたいなこと。

たとえば、牛丼屋さんでお箸を床に落としてしまい、焦ってそれを拾おうとしたら、さらにカウンターの上のお茶までこぼしてしまった…みたいな笑

なんとなく、イメージできますかね。

それと同じように、「これは自分を甘やかしているんだ」と自分が判断して、「それはいかん」とばかりに起こした行動って、自分にとってあまり望ましいことにならないんですよね。

スタート地点が、自己否定なわけです。

「こんな私じゃ、いけない。ダメだ。愛されない」

そういった自己否定をエンジンにして動こうとすると、最初は動けるんです。

それも、結構がんばれたりするものです。

「怖れ」が根底にあるから、ネコに追いかけられるネズミよろしく、必死に走るわけです。

けれども、それが長続きするかというと、そうではないですよね。

そして、「こんな私」という自己否定が根底にあるから、動いた先にも「こんな私」が待っているわけです。

自己否定をスタートにすると、ゴールも結局、自己否定が待っています。

はじまりと終わりが同じ場所に戻ってくる、「メビウスの輪」というものがありますが、それと同じようなものといえます。

3.自分を受け入れた「あと」に何を描くか

だから、「甘やかしている」から動こう、とするよりも、まずは自分を受け入れる、肯定することが大切なわけです。

自己否定からはじまる行動の先には、同じ自己否定が待っています。

その逆に、自己肯定からはじまる行動の先には、さらに自分を肯定できるものが待っているのでしょう。

いま、そのままの自分を受け入れること。

肯定すること、愛すること。

それらは、自己肯定の第一歩ですが、そこで終わりではないわけです。

そのままの自分を受け入れることは、とても大切なことですが、それは必ずしも「そのままでいい」「なにもしなくてもいい」というわけでは、ないんですよね。

自分が望むように、自分を自由に変えていくことができます。

そして、自己肯定をベースにした行動は、やはり芯が通っていて、強いものです。

 

人間という存在の素晴らしいところは、自分を変えていけるという点です。

鳥は、飛び方を変えることはできません。

しかし、人は自らが望むことで、自分の生き方を変えていくことができます。

いまの自分は、とてもすばらしい。

まずは、それがベースであり、建物でいうところの基礎工事のような部分です。

そして、それ以上にすばらしい存在に、私たちは自分自身を変えていくことが、成長させていくことができます。

基礎工事さえしっかりしていれば、その上にどんな建造物を建てるのかは、自由なのです。

今日は、自分を受け入れたあとが大切、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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