「投影」の心理を使うと、自分と深く向き合うことができます。
その前提として、自分が自分の味方であり続けることが、とても大切なことです。
1.「投影」の視点から見る、相手の問題
昨日の記事では、「投影」の心理をテーマにお伝えしました。
相手のなかに見える問題は、自分のなかの棘を見せてくれているだけ。 - 大嵜直人のブログ
「投影」とは、自分の心の中にある感情や観念、あるいは過去の経験といったものを、外の世界に映し出すことを指します。
悲しい感情が心のなかにあれば、清々しい朝日を見ても悲しみの象徴に見えたり。
あるいは、お母さんに対して感じていた感情を、パートナーに映し出したり。
はたまた、誰かに裏切られた経験から、「他人は信用してはならない」という観念を抱くようになり、そのフィルターで外の世界を見ていたりします。
言ってみれば、私たちが見ているものすべては、私たちの心のなかの「投影」であるといえます。
これを突き詰めると、「社会問題ですらも、私の内面の闘争の投影」ともいえるでしょうし、「わたしは世界の創造主」というとらえ方もできるのでしょう。
「投影」は、心理学の根幹をなす概念といえます。
その「投影」の心理を使うと、ものごとの見え方がずいぶんと変わってきます。
昨日の記事では、自分以外の誰かが問題を持っているように見えるときを、考えてみました。
「パートナーが優柔不断で、いつも決めるのが遅い」
「子どもが引っ込み事案で、いろいろと心配してしまう」
などなど、いろんな場面があるかと思います。
こうした他人のなかに見える問題は、「投影」の視点から見ると、自分自身の問題と見ることができます。
自分のなかにある問題を、外の世界に映し出しているだけなのですから。
イヤですよねぇ、ほんと笑
けれど、そう考えることで、自分ができることが見えてきます。
相手に見える問題を、自分のなかの問題としてとらえ、それを解決できたとき。
その解決できた風景を、私たちは外の世界に映し出すのでしょう。
その結果として、相手の問題もまた、どこかへいってしまうものです。
相手のなかに見える問題は、自分のなかにあるもの。
「投影」の心理は、それを教えてくれます。
2.「投影」はつらいよ
「投影」の視点を使うと、いろんなことが自分に跳ね返ってきます。
よくあるのが、「他人の悪口は自己紹介」といわれるやつです。
誰かの悪口を言いたくなること、ありますよね。にんげんですもの笑
「上司がほんと人を選んで態度を変えるからムカつく!」
「あのお店の人、みんな無愛想で、とても接客業の仕事をしているとは思えない」
とか、まあ言いたくなることはありますよね。
でも、「投影」の視点から見ると、あら、イヤだ。
そうなんです、自分のなかにある(嫌っている)要素を、その人に映し出しているだけなんです。
だから、「他人の悪口は自己紹介」なわけです。
はい、イヤですねぇ…これを聞くと、軽々に悪口の一つも言えなくなりますよね笑
そうなんです。
「投影」の視点を使うこと、それを通じて自分の心と向き合うことは、結構しんどいというか、気力と体力を使うものです。
往年の映画のタイトルではないですが、「投影はつらいよ」といったところでしょうか。
怖いのは、これが「自分責め」の材料になってしまうことです。
「周りの人は、問題だらけ。ということは、私もまた問題だらけの人間なんだ…」といった感じで、自分を責めてしまう。
「投影」の見方は、確かに自分の心と向き合うのに、大切なことを教えてくれます。
ただ、それがが自分を責めたり、傷つけたりするために使うものではないのは、当然のことです。
「投影」にせよ、その他の心理学の考え方にせよ、それを学び、使う目的は、「自分自身の生を、より善いものにしていくため」のはずです。
ここは、忘れないようにしたい点です。
3.常に自分の味方であり続ける、ということ
「えー、じゃあ、『投影』の見方をした方がいいの?どうなの?」
と思われるかもしれません。
私がお答えするのなら、「どちらでもだいじょうぶ」という答えになるでしょうか。
なんと、あいまいな笑
「いまの自分にとって、必要な方を選べば大丈夫」といった方が、親切ですかね笑
あくまで大切なのは、どうあっても、自分が自分の味方でい続ける、ということです。
味方といっても、いろんな味方がいますよね。
何があっても、見守ってくれるような味方もいれば、パーソナルジムのトレーナーのように、時に厳しく追い込んでくれる味方もいるわけです。
そのときの自分が、どちらの味方が必要なのか、自分で選んでいいんです。
ちょっと体調が悪かったり、元気がなかったりするときは、寄り添うように。
「そうだよな、あいつ、問題だらけだよな!」と、自分の感じたことに、徹底的に同意してあげる。
自分が元気で、自分の心に向き合えるようなときは、それを促すように。
「そうだよねぇ。で、もしも、その問題が、自分の心のなかの『投影』だとしたら、どうだろうか?」みたいに。
どちらも正解で、どちらも必要で、どちらでもいいんです。
ただ、自分が「いまの」自分の味方であり続けるということ。
「投影」がどうこうというよりも、そちらの方が、大切なことといえるのでしょう。
今日は、自分と向き合うためには、自分が自分の味方であり続けるという前提が大切、というテーマにしてお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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