人の持つ最も偉大な能力の一つである「想像力」は、現実をつくりだす「創造力」でもあります。
目に映る情景がどうであれ、自分が望むものや関係性をイメージし続けることが大切です。
けれど、なかなかそう思えないときもあります。
年始から読み返している名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。
1.望み通りの人間関係を築くには、まずイメージすること
私たちの意識には、すばらしい創造力があります。
人間関係がこんなふうになってほしいと想像したり、そのイメージが見えたり、感じられたり、あるいは聞こえたりします。
そうしたイメージは現実をつくりだしていく力をもっているのです。
よく人間関係で癒しが生まれたときに、表面的には関係が悪化したように見えることがあります。
これは一種の副作用です。
そんなときにも、自分の望む癒しのほうに意識を向けつづけてください。
すると自分の目標や、何が真実なのかを見失うことがありません。
そのイメージを見続けていれば、望んでいる状態がより早く、より簡単に実現します。
「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.30
一行目の「創造力」という言葉に、心惹かれます。
「想像力」ではなく、「創造力」の漢字が使われているのです。
人間の最も偉大な能力の一つは、想像力だとされます。
想像力があればこそ、社会的な生活ができるのだろうし、あるいは電波や霊性といった目に見えないものを信じることができるのでしょう。
けれど、ここで使われているのはイメージする想像力ではなく、つくりだす方の創造力です。
「そのイメージが現実をつくりだしていく力をもっているのです」と書かれている通り、想像力とは、すなわち創造力でもあるのだと本書は言っています。
多くのアスリートが行っているイメージトレーニングを例に引くまでもなく、想像することは創造への第一歩目なのだと思います。。
それは、本書に掲げられている人間関係に限らず、多くの場面において、まずは望むものをイメージすることが大切なのでしょう。
2.癒しが生まれるときの副作用
そして、癒しが生まれると、表面的には関係が悪化するとも書かれています。
本書では「副作用」という言葉を使っていますが、「好転反応」と表現してもいいかと思います。
あるいは、夜明け前が一番暗い、という言葉でもいいかもしれません。
人間関係とは、直線状に深まっていくものではありません。
それは、家族やパートナーといった、深い関係になればなるほど、そうなのだと思います。
時に停滞したり、時に階段を登るように距離が縮まったり、時に関係性が悪化したように見えたり・・・そんなことを繰り返しながら、人間関係は深まっていくようです。
そうであるならば、たいせつなのは関係性を「ある一点」で考えないようにすることかもしれません。
癒しが起こるときに、副作用のように関係性が悪化して見えるのであれば。
それを「いまは、その状態なんだな」と放っておくことが、いいのでしょう。
いまは、そうかもしれない。けれど、いつかはその副作用も解ける。
そんな風に考えられたら、少し人間関係も肩の力を抜けることもあるでしょう。
そのためには、望んでいるものから目を逸らさないこと。
関係が悪化しているように見えたら、あなたの望む人間関係のヴィジョンをいっそう明確にもちつづけてください。
そしてできることなら、そのヴィジョンを相手と分かちあいましょう。
すると、いまいる地点から癒しが起きる地点へと進んでいきます。
同上 p.31
3.望むものがイメージできないときは
イメージできなくても、否定しなくていい
とはいえ、なかなかその「望む人間関係」をイメージすることができないこともありますよね。
そこには、いろんな理由があるかと思います。
「いまさらそんなことを望んでも、もう遅い」
「その人との関係に、自分は何も望んでない」
「自分の望む関係と言われても、ピンとこない」
「自分は間違っていないし、相手が謝るべきだ」
・・・などなど、モヤモヤしてしまうのも、また人情です。
そんなときは、まずそう思ったことを否定せず、そのままに感じることが大切なのかな、と思います。
そうだよね、そう感じちゃうよね、そう思うのも仕方ないよね、と。
そこで無理をして「どうにかして、望むものをイメージしないといけない!」と思ってしまうと、そこに出てくるイメージは、本来自分自身が望むものからかけ離れてしまったものになるかもしれません。
ほんとうは望んでいないものを無理矢理イメージして、さらにそのイメージに縛られて苦しむ・・・それは、あまり楽しくないですよね。
モヤモヤと感じたことは、外に出すことで楽になる
そのようにモヤモヤ感じたことを、まずは自分自身が否定しないでいてあげること。そして、できればそれを外に出してあげること。
外に出す一番簡単な方法は、その感じたことを話すこと。
他には、紙に書き出すこともそうですし、身体を動かしたり、歌ったり表現することも、そのモヤモヤを解消してくれます。
どんなモヤモヤであれ、ずっと続くものはありません。
それを感じ続けていてあげると、ふと憑き物が落ちたように楽になります。
そうした瞬間に、自分の望むものは見えてくるようです。
そして、イメージをすることができれば、その想像力は創造力となって、望む状態に近づけることができるのでしょう。
そのときには、副作用のような情景も、気にならなくなっていることでしょう。
カウンセラーに話すことも、外に出す方法の一つです。
私の今月のカウンセリング・モニターもまだ募集しておりますので、よろしければご利用くださいませ。