大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「許し」へのステップ3 ~許せない自分を、許す

許そうと思っても、許せないこともあるものです。

そんなとき、「まずは許せない自分」を許す、という方に目を向けてみることをおすすめします。

1.「許し」のプロセスは長距離走

昨日の記事では、「許し」のプロセスは長距離走、というテーマでお伝えしました。

「許し」へのステップ2 ~「許し」は長距離走、あせらずじっくりと。 - 大嵜直人のブログ

心理学においての「許し」とは、相手やできごとを主体的に100%受け入れることを指します。

「100%主体的に」いうことは、他責にせず、すべて自分のこととして受け入れることに他なりません。

それは、覚悟が要ることかもしれません。

けれども、「許し」によって、私たちは誰かを責めたりする罪悪感から、自分を解放することができます。

これが、ほんとに大きな恩恵なんですよね。

誰かを責めているとき、私たちはもれなく罪悪感を抱えます。

他人に向けた刃は、罪悪感となって、自分にも向いているのです。

「許し」は、こうした罪悪感から私たちを解放してくれる、偉大な心のはたらきです。

しかし、この「許し」にいたるプロセスは、時間がかかるものです。

だって、「あの人のせいで、自分は傷ついた」とか、「あんなできごとがあったせいで、自分はひどい目に遭った」と思っている相手やできごとを「許す」なんて、普通に考えたらおかしいし、損な感じがするじゃないですか笑

だから、「許し」は時間がかかるし、長距離走を走るように、あせらず自分のペースで歩くことが大切になるというのが、昨日のテーマでした。

少なくとも生きている間は、「許し」のプロセスはずっと続くくらいのイメージでいても、いいんじゃないかと思います。

2.頭と心の不一致が「許せない」という葛藤を生む

こうした「許し」のプロセスやその恩恵を、知識として得たとしても、それを実行することとの間には、大きな差があるものです。

だから、昨日の記事の通り、時間がかかるんですけれどね。

よく「知っていることと、していることの間には、大きな差がある」と言ったりしますが、まさにそれと同じです。

運動不足は身体によくないという知識を持っていたとしても、それと実際に運動をするかどうかは、大きな隔たりがありますよね。

はい、ダイエットにしても、なかなか難しいものです笑

それはともかくとして、「許し」を知っていても、「許せない」ことは、誰にでもあるものです。

許したいのに、許せない。

その状態は、頭(思考)と心(感情)が一致していないから起こるものです。

頭では、「許した方がいい、許した方がラクになる」とわかっていても、心は「そんなこと言ったって、あんなに傷つけられたのに!」と反発して、葛藤している状態です。

これ、「許し」に限らず、非常にあるあるは状態ですよね。

別れた恋人への未練だとか、仕事で失敗したときの切り替えだとか…いろいろありますよね。

ぐるぐると思考と感情が堂々巡りになってしまい、しんどい状態でもあります。

許した方がいいのはわかっているんだけど…でも…といった感じでしょうか。

3.許せない、葛藤している自分を「許す」

頭(思考)と心(感情)が一致していない状態。

こうしたとき、頭(思考)は心(感情)には勝てません。

心(感情)の方が、圧倒的にパワフルです。

「許さなあかん、許さなあかん」と思っても、なかなか解決はしないんですよね。

だから、先日の「許し」への4つのステップの記事でお伝えした通り、「許し」のプロセスの一番最初にくるのは、「感情の解放」になるのです。

「傷ついた」「寂しかった」「悲しかった」…そうした感情の恨みつらみを、抑え込むのはなくて、いったんぜんぶ吐き出す必要があるんです。

感情を吐き出す、解放するとは、どんな感情も否定せずに、いったん出し尽くすことです。

「そうだよね、苦しかったよね」

といった感じで、自分に寄り添ってあげるイメージです。

もちろん、許した方がいいし、その方がラクになる。

でも、「いまの自分」が許せないことを、責めないことの方が、大切なんですよね。

「許せなくても、しょうがないよね」といった感じです。

それは、「許せない自分を、許す」とも表現できるでしょうか。

 

もし、あなたに許せなくて苦しい時間があったとしたら。

まずは、許せない自分を許す、という意識を持ってみては、いかがでしょうか。

少し、見えてくる風景が変わってくるかもしれません。

今日は、許せない自分を許す、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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