大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

選べないときは、選ばなくてもいいとき。 ~「ほぼ日手帳」のカバーを、今年も変えなかったお話

今日は、私の愛用している「ほぼ日手帳」にまつわるお話を。

心理学関係の記事がひと段落したコーヒーブレイクのような記事ですので、肩ひじ張らずにどうぞ。

 

大人気の「ほぼ日手帳」。

www.1101.com

糸井重里さんが発行人の「ほぼ日刊イトイ新聞」の企画として発売された手帳です。

イトイ新聞さんのサイトを見てみると、2022年の発行部数がなんと72万部。

手帳の発行部数には詳しくありませんが、実に多くの人が使っている手帳なんだと思います。

はじめて世に出たのが、2001年10月5日で2002年度版だったそうです。

いまから20年以上も前でしょうか。

ちょうど、私が社会人になるころでした。

私がこの「ほぼ日手帳」を知ったのは、当時の会社の先輩から、「大嵜、いい手帳があるぞ」と教えていただいたのがきっかけでした。

なので、結構長く愛用させてもらってます。

「ほぼ日手帳」は、手帳本体とカバーで構成されるのですが、私が先輩から教えていただいたときには、ほとんどのカバーが売り切れていて、「ピンクのナイロン」のカバーしか残っていませんでした。

しかもそのピンクの色が、ショッキングピンクに近いような色で。

同僚からは「なんだ?その色は」と突っ込まれ、取引先からは「こ…個性的な色の手帳ですね…」というような反応をされていたのを覚えています笑

最近でこそ「男性らしい」という表現も微妙になってきましたが、当時はそんなことも言われたような気がします。

それでも使い続けていたのは、この手帳が使いやすかったからなのでしょう。

翌年からは、ピンクではなく、少し落ち着いた色の手帳を買いましたが笑

 

スケジュール管理も、スマホ一つですべてできるようになり。

ほかのさまざまなアプリと連携させた方が、便利なのに。

それでも、2023年になっても私が手帳を使っているというのは、やはり「書く」ということの手触り感が好きなのでしょうか。

予定を書き込むときのワクワク感もそうですし、数行程度の日記を書いているのですが、その日記を自分の字で書くときの感じが、好きなんだと思います。

一年が終わると、翌年の手帳にいろんなことを書き写すのですが、一年を振り返りながら書き写す、そんな時間を持つのが、毎年の習慣になっています。

 

そんな「ほぼ日手帳」ですが、カバーもまた魅力です。

いろんな色や柄のラインナップがあって、それを選ぶのも楽しいものです。

私もいろんなカバーを試しましたが、ここ数年は「ロビンエッグ」という名のついた革のカバーを使っておりました。

「ほぼ日手帳」のサイトで見ていたら、2014年版の手帳といっしょに販売されていたので、もう8年以上も使っていることになるみたいです。

当初はやさしいライトブルーの色をしていましたが、8年も使っていると、ずいぶんくすんで、へたってきてしまいました。

「そろそろ買い替えるかなぁ」と思って、2023年版のカバーをいろいろと見ていたのですが、なかなか「これ!」というものが見当たりませんでした。

「どうしたもんかなぁ…」と思い、「これにしようかなぁ、でもなぁ…」と、ほぼ日手帳のサイトを開いては閉じてを繰り返しておりました。

そんな折、ある方とお話していたところ、「選ばないというのも、ひとつの選択ですよ」という会話がありました。

「そうか、無理に選ばなくてもいいのか」と思い、結局、今年も本体のみを買い、カバーはそのままにすることにしました。

そうすると、「このロビンエッグのカバーも、まだまだいいなぁ」「使い込むことで出る味もあるよなぁ」と感じるのが、不思議なものです笑

 

Aしかない、は執着になります。

Aか、Bか、という選択肢があると、人の心は自由になります。

しかし、「AかBのいずれかしかない」になると、どこか息苦しさを覚えてしまいます。

「Aでもない、Bでもない」という選択肢を持てると、また少し自由になります。

選ばない、自由。

よく、考えても結論が出ない問題は、いまは答えを出せないときであり、出す必要がないときである、という話があります。

「選べない」と言ってしまうと、私たちは主体性を失います。

しかし、それを「選ばない」「選ばなくてもいい」と考えると、主体性をこの手に取り戻すことができるようです。

選ばないこともまた、選択の一つ。

自分に合ったものが、これから訪れるはず。

だから、選ばなくてもだいじょうぶ。

そんなことを考えさせられた、「ほぼ日手帳」のカバー選びでした。

8年も使っていると、ずいぶんと使い込んだ感が出てきました