カウンセリングのなかで、問題のパターンを探していくことがあります。
それは、パターンを直すためではなく、そのパターンを通じて、本質的な価値や才能を知るためです。
1.問題のパターン
今日は、先日のカウンセリングのなかで出てきたテーマをもとにお伝えします。
カウンセリングでお話を伺っていくなかで、その人の問題のパターンを探していくことがあります。
もちろん、表面に出てくる問題は、個別具体的なものです。
「せっかく任せられた仕事をうまくこなせなかった」
「パートナーとケンカをしてしまった」
といったように。
そこで感じたしんどい感情、ネガティブな感情を吐き出していただくことが、まずはとても大切なことです。
「話すは離す、放す」と言われるように、そのしんどい感情を話すことだけでも、楽になったり、変わっていくものがあります。
というか、カウンセリングでできることのほとんどが、そこに尽きます。
カウンセラーが何かするとかできるとかではなく、クライアントさまが本来持っている価値や魅力、才能を思い出し、自分でこれからの道を選び、歩いて行くことを、応援することですから。
その上で、なのですが、「問題のパターン」を探しに行くことがあります。
問題のなかで、クライアントさまが感じた感情を頼りに、その問題の根源というか、パターンが何なのか?を探しに行くイメージでしょうか。
このあたり、よく皆さんご存じで、「これって、私のパターンでしょうか?」と、逆に聞かれることもあります笑
先ほどの例でいえば、
「期待されると、それが怖くなる」というパターンだったり、
「親密になりそうになると、自分からそれを壊す」というパターンだったりするわけです。
そもそも、そのパターンがなぜつくられたのか?、そのパターンをしていることによって、自分が得られているメリットは何か?という視点が、カウンセリング的な見方です。
そこには、家族との関係や、これまでの交友関係、あるいは恋愛関係からくる経験というものが、影響していたりします。
2.「パターンを直そう」という自己否定
で、今日の話はここまでが前振りです。
相変わらず、長いですね笑
この問題のパターンが見えてくると、どうしても私たちは、こう考えるんです。
「このパターンがあるから、いつも問題をつくりだすんだ」
「だから、このパターンを直さないといけない」
それは、自然なことであり、当たり前といえば、当たり前です。
お風呂のシャワーの調子が悪いのは、シャワーヘッドが目詰まりしているからだ。
だから、シャワーヘッドを清掃すれば、問題は起きない。
という考え方と、同じです。
でも、私のカウンセリングでは、あまりそれをおすすめはしません。
なぜか。
それを直そうとすると、余計にひどい自己否定になってしまうからです。
よく、「短所は直してはいけない」と言われます。
それを直そうとすると、「こんな短所がある自分ではダメだ、愛されない」という見方を自分に対してすることになってしまうから。
そして、もしそれを直せたとしても、同時に長所も消えてしまい、のっぺらぼうな自分になってしまうから。
自己受容、自己肯定の大原則は、そのままの自分を受け入れる、愛することです。
短所があるとしたら、「それを直そう」ではなくて、「それが私だから、しゃあないやん」というのが、自己肯定の一歩目なんですよね。
それを、「こんな私じゃ、いけない」とすると、余計にしんどくなります。
じゃあ、直さなくていいなら、何もしなくてもいいのか?というと、それもまた違います。
自分を受け入れることができたなら、そうした自分とどう生きていくか?を考えることができるようになるんですよね。
その自分の資質(短所)を、周りに説明して理解してもらったり。
あるいは、その資質(短所)を、受け入れてくれる場所を探してみたり。
それって、自己否定ではない、すごくクリエイティブで、創造性のある取り組みなんですよね。
「短所は直してはいけない」というのは、そういった意味です。
「問題のパターン」もまた、同じです。
それが見つかったからといって、直そうとするのは、自己否定につながりかねません。
まずは、「それが私なんだな」と、受け入れることが、一番大切なことなのでしょう。
3.パターンを知るのは、本質的な価値や才能を知るため
問題のパターンは、直してはいけない。
そう聞くと、こんな風に感じられるかもしれません。
「問題のパターンを直しちゃいけないの?それなら、なんでそれを知る必要があるの?」
そりゃ、そうですよね笑
なんで、わざわざカウンセリングでは、そんなことをするのか?、と。
その答えは、クライアントさまの本質的な価値や魅力、才能を知るためです。
そもそも、問題とは何かといえば、その人が本来の自分から離れただけ、起こるものです。
だから、問題のすぐそばに、その人の持っている、唯一無二の才能や価値、魅力が隠れているものなんです。
色濃い影ができるのは、それだけ強い陽射しがあるから。
問題のパターンを知るということは、その人の持っている、かけがえのない才能、価値、魅力、パーソナリティ…そういったものを知ることと、同じなんですよね。
カウンセリングで、そうした問題のパターンを探っていくのは、クライアントさまの、そうした光の部分にフォーカスするためです。
そして、それをお伝えすること。
「あなたには、こんなにも素晴らしい価値や魅力をお持ちなんですね」、と。
でも、それって実は、真新しいことでも何でもなくて。
クライアントさまご自身が、ほんの少しだけ忘れていたり、隠していたりしただけのものなんですよね。
だってそれは、そのクライアントさまの一部なんですから。
問題のパターンが見えたとしても、それを直そうとしてはいけない。
それを知るのは、自分の本質的な価値や魅力、才能を知るためだからです。
そして、気づいたらそれで終わりなんですよね。
自覚することができれば、あとは勝手にそれを輝かせたり、発揮したりする方向に、流れていきますから。
なんとなくですが、私のカウンセリングのイメージをお伝えできましたら、幸いです。
今日は、問題のパターンを知るのは、自分の本質的な価値や才能を知るため、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
〇大嵜直人のカウンセリングの詳細・お申込みはこちらからどうぞ。
※ただいま7月度の個人カウンセリングを募集中となります。
〇カウンセリングのご感想のまとめはこちら。