自分の短所は、見方次第でかけがえのない価値や才能になります。
具体例を交えながら、自分が短所と思っている点の捉え方について、お伝えします。
1.短所は直さないといけない?
今日は、自分の短所と資質についてのお話を。
カウンセリングのなかで、「〇〇が短所なんです、直さないといけないと思っているんですが」といったお話を伺うことがあります。
まあ、誰しも人間ですから(化け猫やAIがこの文章を読んでないと思いますが笑)、自分の短所の一つや二つは、思い浮かぶものだと思います。
かくいう私自身も、自分の短所はすぐに出てきます笑
一番よくないな…と感じる機会が多いのは、「腰が重くて、なかなか動かない(動けない)」という点でしょうか。
巷では「不確実性の時代」「VUCAの時代」「風の時代」と言われます。
そんな時代だから、何でもすぐに動いて、チャレンジしながら変化していくことが大切だ、とよく言われますよね。
けれど、私はなかなかできないんですよね。
「時代に合ってないなぁ」とは思うのですが、直そうとしても難しいんですよね。
はい、多分に言い訳も入ってますが笑
だから、自分はダメだなぁと思うこともできるのですが、最近は、できるだけ違う見方をしようと思っておりまして、今日はそんな見方をご紹介したいと思います。
「短所は直さないといけない」とは、限らないんです。
むしろ、自分が短所だと思っていること、そのことが、自分自身のかけがえのない才能や価値の源泉だったりします。
もしそうだとしたら、「自分のこの短所は直さないといけない」と思うのは、実にもったいないことではないでしょうか。
2.自己肯定から見る短所
自己肯定という観点から見ると、短所は直さなくてもいいものです。
どうしても、私たちは長所は引っ込め、短所は直そうとしてしまうのですが、それは焼き上がった器の形を、無理矢理に変えようとするようなものです。
いびつに見えるその形のまま、自分を受け入れることが、自己肯定においてはとても大切なことです。
自己肯定の大原則は、いま、このままの自分を受け入れること、ですから。
ちょっと言葉はあれかもしれませんが、
「しゃあないやん、それが私なんだから」
というくらいで、ちょうどいいんだと思います。
だって、それを無理して直そうとしたら、器が割れたり、壊れてしまったりするかもしれませんから。
先に書いた、私の短所。
以前に、ある方から、こんなことを言われたことがあります。
「あなたは、山の上に立って、全体の構図を見てから、じっくりと決める人です」
「だから、全体が見えるまで、決められないんです。そこで無理に決めようとすると、必ず空回りします」
「そのかわり、一度やろうと決めたことを、やり抜く強さを持っています」
なるほどー、そんな見方もあるのか、と思いました。
というか、無理に決めようとすると、空回りするというところが、思い当たる節がアリアリなんですよね笑
これを聞いてから、自分の腰が重いこと、なかなか動けないことを、否定したり責めたりすることは、減りました。
とはいっても、やっぱり責めてしまうことはありますけどね笑
これ、別に「動かなくていい」って言っているわけでは、ないんですよね。
ただ、私には私の動けるタイミングがあって、それを大切にしましょうね、ってことなんです。
むしろ、動けるときには、自分の精一杯を尽くして、動かないといけないんです。
だから、単に自分をごまかしているとか、甘やかしている、という見方でもないわけです。
なんか、そう考えると、「腰が重い」っていう資質も、必ずしも短所とは見えなくなりますよね。
大切なのは、短所を直すことよりも、「それがわたし」と受け入れた上で、その上でできることを探していくことです。
私の資質は、なかなかすぐに動くことはできないかもしれません。
でも、その資質のおかげで、こうして毎日、ここで文章を綴ることができていますし、それがどなたかの居場所になっているとしたら、これほど嬉しいこともありません。
それは、きっと短所なんかでは、ないですよね。
3.ギリギリにならないと動けない人が持つ才能
たとえば、「ギリギリにならないと動けない」というのが、自分の短所だと思っている人がいます。
締め切り直前にならないと、やらない。
8月31日にならないと、夏休みの宿題をやれない。
私も、若干そのケがあります笑
そうした資質があると、「これじゃあかん、毎日コツコツできるようにならないと」と思ったりしてしまうかもしれません。
でも、そう思ってできるなら、もう小さいころから、とっくにしていると思いません?笑
だからというわけではないですが、「コツコツできないから、自分はダメなんだ」と責めなくても、いいと思うんです。
もう、それがその人の資質なんですから。
逆に、そういった人は、瞬発力というか、土壇場に強いという価値を持っているんです。
だから、イレギュラーな状況のとき、みんなが大変なとき、トラブルが起こったときに、力を発揮できる人だったりします。
そんなときに頼れるのが、「ギリギリにならないと動けない人」なんです。
だって、瞬発力があって、瞬時の判断力も優れているわけですから。
コツコツできる人と、どちらが優れているか、というわけでもありません。
どちらも、その人の持つかけがえのない資質であり、それを必要とされる場面は、それぞれにあるんですよね。
その資質を、自分自身が
「こんなものは、よくない短所だ。直さないといけない」
と考えてしまうのは、実にもったいないし、悲しいことです。
ものの見方、とらえ方というのは、一つではありません。
自分が短所だと思っている点であっても、それは自分のかけがえのない価値や才能を示しているところなのかもしれません。
どちらの見方を採用してもいいとしたら、やっぱり価値や才能を見たいですよね。
その方が、自分を好きになれるし、豊かに生きられると思うのです。
今日は、短所の捉え方、というテーマにしてお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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