大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

カウンセリングを受ける恩恵は、「感情が先、できごとは後」という言葉に集約される。

心理学では、「感情が先、できごとは後」という言葉があります。

感情を癒していくことで、結果的に現実が変わっていくことを表現していますが、これはカウンセリングを受ける恩恵そのものでもあります。

1.感情を解放するために「問題」は起こる

先日の記事では、「問題」が起こるのは、抑圧された感情を解放するため、というテーマでお伝えしました。

「問題」は、抑圧された感情を解放するために起こる、という視点。 - 大嵜直人のブログ

私たちは生きていく中で、いろんな「問題」にぶつかります。

仕事や経済面の問題。

子育てや家族の問題。

パートナーシップの問題。

そうした「問題」はめんどくさいし、イヤなものですが、別の見方をすることもできます。

もちろん、それは「問題」に限った話ではないですけれどね。

昨日のテーマでは、「問題」が起きるのは、抑圧された感情を解放するためである、という視点をご紹介しました。

私たちは、自分が思うようにならないこと、傷つくようなできごとがあると、そこで出てくるネガティブな感情を抑圧してしまうことがあります。

それは、何度も繰り返し起こるから、もう感じるのがイヤになってしまったり、あるいは、突然ショックなできごとが起きて、感情を受け止められない状態になってしまったりすることから起こります。

そうしたなかで抑圧された感情は、勝手になくなることはなく、私たちの心の奥底に抑圧したままになってしまうものです。

感情を抑えるのには、エネルギーを使いますから、そうした感情を抑圧しておくと、気づかないうちに疲れ切ってしまったり、あるいは抑えきれなくなって、いきなりあふれてしまったりもします。

感情を抑圧すると、ロクなことがありません。

それは、おなかが痛いのを無視して、特急列車に乗るようなものでしょうか。

はい、私も先日ひどい目に遭いました笑

「問題」とは、そうした抑圧した感情を解放してくれるもの、というのが先日の記事でご紹介した見方でした。

2.感情が先、できごとは後

感情を解放する恩恵は、私たちが思っているよりも、ずっと大きなものです。

だから、ある意味で、「問題さん、ありがとう!」なんです。

だいぶ、変な人に見えてしまいますが笑

心理学には、「感情が先、できごとは後」という金言があります。

私たちは、なにかできごとがあって(先)、そこから感情を感じる(後)と考えてしまいがちですが、その逆の見方といえます。

「電車を待っている列に横入りされる」→「怒りを感じる」

ではなくて、

「(そもそも)怒っている」→「怒りを感じる事象(横入り)が目につく」

という見方ですよね。

ちょっと、違和感があるでしょうか?

でも、この見方を採用するメリットは、すごく大きいんですよね。

それは、主体性を取り戻せる、という点です。

当たり前ですが、横入りする輩は、コントロールできません。

「おい、それは人としてどうなんだよ」と詰め寄ることはできるかもしれませんが、それで相手が行動を改めるかどうかは、別問題です。

逆に、「うぜえな」なんて言い返された日には、怒りも100万倍になってしまうかもしれません笑

これ、横入りだから笑っていられますが、パートナーや仕事の上司、家族に対して、同じようなことをしていませんでしょうか。

自分ができるのは、自分の感情を解放して、自分を整えることだけです。

もちろん、その上で、横入りの輩に注意する・しないというのも、「自分が」選択すればいいのでしょう。

そうすると、相手の反応は不思議と気にならなかったりするものです。

「あぁ、この感情を感じたいから、あの輩に横入りさせたのかな」

そう考えると、あの輩は、自分に気づきを与えてくれる役割を、あえて演じてくれている、ありがたい存在に見えてきたりもします。

「問題」もまた、同じです。

「すべての問題は自作自演」と言ったりもします。

もし自分が、その輩に横入りをさせているのだとしたら。

自分がつくりだした「問題」なのですから、自分自身で解決することだって、できるのでしょう。

たとえば、そこで感じた「怒り」の感情を解放することができたら。

「あぁ、あの人は体調がすごく悪いのかもしれないな」という視線で、その輩を見ることができるかもしれません。

そのとき、「問題」は「問題」ではなくなっているはずです。

3.カウンセリングを受ける恩恵

「感情が先、できごとは後」

その金言の意味することを、見てきました。

実はここに、カウンセリングを受けることの恩恵が、集約されているんですよね。

もしかしたら、カウンセリングに対して、

「話を聞いてもらうのはいいんだけど、それで何になるの?」

「具体的なメリットは、あるの?」

と、そんな風に思われる方も、いらっしゃるかもしれません。

カウンセリングの効用、恩恵は、安全な場所で話をすることで、感情を解放できることにあります。

もちろん、それは家族や友達や、信頼関係のある人と話をすることでも、起こりえます。

しかし、どうしても相手に対して気を遣ってしまったり、話す内容を選んでしまったりもするものです。

これが、カウンセラー相手だからこそ、話せることがあります。

そして、話をするなかで、感情を解放することができると、できごとは後からついてきます。

抑圧していた感情が解放されると、フットワークが軽くなるし、いい意味で相手の反応を気にせずに行動できるようになっていくからです。

だから、カウンセリングで話をしたところで、何も変わらない!というのは、半分正しくて、半分は間違っています。

もちろん、そこで目に見える何かが変わるわけではありませんし、何か有効なメソッドや方法論をお伝えするわけでもありません。

しかし、自分の内面と向き合い、感情を解放していくことで、その日からの自分のありようが変わっていきます。

そうすると、結果的に、目に見えるものもまた、変わっていくのでしょう。

まさに、「感情が先、できごとは後」ですね。

今日は、「問題」は抑圧された感情を解放するために起こる、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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