大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「執着」を抜けだすカギは、その原因を責めることではなく、自分の愛とつながること。

「執着」していると、選択肢が無く、選ぶことができません。

そこを抜けだすカギになるのは、「執着」する自分を責めたり否定するのではなく、自分の愛とつながることです。

1.「執着」してしまう理由

昨日の記事では、誰かの役に立つことに「執着」してしまう、というテーマでお伝えしました。

役に立つことに「執着」してしまう原因から考える、自分の価値について。 - 大嵜直人のブログ

「誰かの役に立たないと、自分の価値が無い」

時に私たちは、自分の価値を、そんな風に考えてしまうことがあります。

誰かの役に立つことは素晴らしいことですが、それをしない限りは自分の価値が無いと言われると、ちょっとしんどいものです。

これは、成果や結果を出すことや、他人に好かれること、といったことに置き換えることもできるかと思います。

そんな風に考えてしまうとき、私たちは誰かの役に立つことに「執着」しています。

「執着」とは、そのイメージの通り、「それ以外に選択肢が無い状態」を指します。

自分の価値を感じるためには、誰かの役に立つ以外にない、という状態です。

選択肢が無い状態は、苦しいものです。

それがどんなに美味しいランチであっても、365日おなじメニューが続くとしたら、ちょっと食傷気味にもなりますよね。

まあ、そういうのが気にならない気質の人もいるとは思いますが笑

選択肢があり、そのなかで自分が「選んでいる」という状態があってこそ、私たちはその選択と結果に喜びを感じることができます。

そして昨日の記事では、まずそうした「執着していること」に気づくこと、そしてそれを「いけないもの」と扱うよりも、「執着せざるを得ない理由」に目を向けることをお伝えしました。

そこには、何らかの過去の経験がはたらいていることが多いものです。

その経験がポジティブなものであれ、ネガティブなものであれ、いずれも大切な人への愛があるからこそ、「執着」もするわけです。

そうした自分の愛とつながることの大切さを、昨日はお伝えしました。

2.心の世界を学び、自分の愛とつながる

この「自分の愛とつながる」というのは、非常に大切なテーマですので、今日はこれを少し掘り下げてみます。

「執着」にせよなんにせよ、心が苦しいと感じるとき、私たちはその解決策や解消方法を探します。

「どうして、こんなにも苦しいんだろう」

「この苦しさを和らげるためには、どうしたらいいのだろう」

心理学を学ぶことも、そのアプローチの一つです。

人の心のありようを学ぶことで、いろんな心理を知ることができます。

しかし、自分の心を分析することや、問題の原因を探ることが、心の世界を学ぶ目的かと言われれば、それだけではないと思います。

(もちろん、それでスッキリすることもありますし、とても大切なことです)

心の世界を知ることの大きな恩恵は、自分の愛とつながることではないかと、私は思うのです。

「執着」にせよ、「犠牲」や「癒着」や、いろんな傾向の問題があります。

そうした問題に対して、「それをしちゃうから、ダメなんだ」と考えてしまうのは、二重の意味でしんどいわけです。

だって、十分苦しんでいるのに、その自分を「これこれこうだから、お前はダメなんだぞ」と責めてしまうわけですから。

そうじゃないんと思うんですよね。

執着してしまう自分。

そんな自分を責めるのではなくて、その根底にある愛に目を向けることが、とても大切なことだと思うのです。

昨日からの、繰り返しにはなりますが。

執着してしまうのには、それなりの理由があります。

それは、自分がとても大切にしたい、愛する人のために、してきたのではないかと思うのです。

この愛に気付き、それを受け入れることを、「自分の愛とつながる」と表現しています。

それは、いままでダメ出しをしてきて、責めてきた自分のこれまでの行動を、愛ゆえにという視点から許すこととも言えるのでしょう。

カウンセリングのなかでも、そうした愛につながることができた時間は、とてもあたたかく、ほっとした空気が流れるものです。

3.つながると、選ぶことができる

そのようにして、自分の愛とつながることができると、私たちはそれを周りの世界に投影していきます。

そうすると、どうなるか。

周りの人の表面的な言動に、振り回されなくなるんですよね。

これが、大きいんです。

たとえば、悪態をつくパートナーに、「あぁ、それくらいに、愛を求めているんだな」と思えたりするわけです。

たとえば、過干渉気味な親に、「それが、この人の愛情表現なんだな」と思えたりするわけです。

もちろん、その想いを受けとったり、応えたりしてもいい訳ですし、「そうした態度は望まない」と線を引いてもいい訳です。

自分の愛とつながった分、私たちは自分を信頼することができます。

自分を信頼した分だけ、その信頼を世界に投影します。

すると、どの選択をしても大丈夫、という自信が芽生えます。

「執着はあかん、執着はあかん」と考えるよりも、そちらの方が、「選べる」ようになるものです。

しかし、「選べる」というのは、それはそれで、悩ましいものです。

これ、自分に主体性が戻ってくると、多くの人が感じる悩みです。

だって、選ばないといけないわけですから。

毎日同じランチメニューもしんどいですが、毎日1000種類以上のメニューから選ぶのも、悩ましいわけです笑

たとえいま、何かに「執着」して苦しかったりしても。

「選ぶのも大変だわ」と頭を悩ませる日が、きっときます。

それには、自分の愛とつながることが大切なようです。

今日は、自分の愛とつながると、選べるようになる、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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