散りゆく姿と、葉桜の美しさを楽しませてくれた桜並木も、もう新緑の色に。
その川沿いの道を歩くと、実に心地のいい風が吹いています。
桜の咲くころの、どこか輪郭のぼんやりとした春の空気が、もう初夏のそれに変わっているようです。
薫風、風が薫る。
そんな言葉を、思い起こさせてくれます。
されど、時候はまだ「穀雨」。
穀物がすくすくと育つのに必要な恵みの雨が、降りそそぐころです。
たしかに、ここのところ雨が降ったり止んだりと、短いスパンで天気が変わりゆくようです。
この心地よい風といい、どこかもう5月の陽気を感じさせます。
夏と冬が長くなって、春と秋が短くなっている。
そんな話を聞くことがありますが、この過ごしやすい、心地のよい時期を、少しでも長く楽しみたいものです。
そんなことを想っていると、桜も散ってしまったあとに、もうツツジが咲いていました。
感覚的には、5月の連休ごろに満開になるようなイメージでしたが、今年のツツジは咲くのが早いのでしょうか。
桜は咲くか、咲かないか、みんなが気にします。
「桜前線」なる言葉があるくらいですもんね。
それにくらべると、ツツジはどこか、いつの間にか咲いているような気がします。
気づけば、満開になっているような。
誰かに見られていても、見られていなくても。
ただ、花は咲く。
咲き誇る。
そんな感じを受けるのは、ツツジという花の持つ力なのでしょうか。
厳寒のなかに咲く梅の花からはじまり、木蓮、桜、そしてツツジ。
移ろいゆく季節を彩る花は、いつも美しいものです。
さて、あなたの周りでは、今日はどんな花が咲いているでしょうか。
今日を彩るその花たちに、祝福を。