傷ついた経験は、自己の分離を生みます。
その傷ついた自分自身に、どんな言葉をかけたらいいか考えることで、その傷を癒していくことができます。
1.「傷つく」のは、愛があるから
昨日の記事では、傷つくのは愛があるから、というテーマでお伝えしました。
「傷つく」のは、あなたに愛があるから。 - 大嵜直人のブログ
本来の自分と、仮面をつけてしまった自分、という話題からのつながりでした。
私たちは、生まれてから成長していく中で、本来の自分を隠したり、抑圧したりするようになります。
本来は、注目を浴びたり、目立つことが好きな人が、できるだけ目立たないように陰に隠れて生きようとしてしまったり。
他にも、いろんなパターンがあるかと思います。
多くの場合、自分を隠してしまうのは、傷ついた経験やできごとから起こるものです。
大切な人に、愛されなかった。
親に怒られたり、否定されたりした。
信頼していた友だちに、裏切られた。
そうした経験から、私たちは「いまの自分では、愛されない」という想いを持つようになります。
そして、「愛されるための仮面」をつけるようになってしまう。
自分の分離には、そんなプロセスが多かったりします。
しかし、このプロセスをよくよく考えてみると、「傷つく」というのは、そこに愛があるからですよね、というのが昨日のテーマでした。
愛があるからこそ、相手に笑顔になってほしいと思うわけです。
だから、いたずらに分離が悪だと判断したり、仮面をつけた自分を否定したりするのではなくて、自分が持っていた愛にフォーカスしましょう、というわけです。
愛にフォーカスして、そこにつながっていれば、私たちは自分を否定したりしなくてすむものですから。
2.その小さな自分は、傷ついたままかもしれない
さて、今日はそのプロセスのなかで、抑圧してしまった本来の自分について、もう少し深堀してみたいと思います。
隠してしまった自分。
抑圧してしまった自分。
その自分は、なんらかのできごとに、深く傷ついているわけです。
それは、大切な誰かから愛されなかった、という傷かもしれません。
大切な人を、笑顔にできなかった、という傷かもしれません。
自分の尊厳を否定された、という傷かもしれません。
仮面をかぶってしまうのも、こうした傷を隠すためと言えるかもしれません。
この傷は、仮面をかぶっているときには、気にならないものです。
だって、その自分を隠しているわけですから。
しかし、この仮面を外そうとしたり、本来の自分と「統合」しようとしたりするときに、この傷が疼くんです。
「本来の自分に戻ろう!」としても、そうそう簡単にはできない理由が、ここにあります。
「だって、あんなに傷ついたのに?」
「もうイヤだよ、あんな痛い想い…」
「まだ、その傷が痛むんだよ」
といった感じでしょうか。
だから、自分を見つめ直す、自分を「統合」する、本来の自分をさがす、といったときに、小さな自分の傷をどう扱うかは、非常に大切なテーマになります。
3.その傷ついた小さな自分にかけたい言葉は?
小さな傷ついた自分を、どう扱うか。
その傷を、どう癒していけばいいか。
打ち身や打撲ならば、シップでも貼って養生しておけばいいのですが、心の傷、それも何年、何十年も前の傷をどう扱うかは、難しいものです。
ただ、それはどれだけ時間が経ったとしても、癒していくことができます。
よく、心の世界には時間の概念がないと言われます。
感情が、まさにそうですよね。
抑圧してしまった感情は、時間とともに風化することはなく、そのままに保存されていたりします。
ただ、言い換えるとそれは、どれだけ時間が経ったとしても、感情は解放することができるし、心の傷は癒すことができる、ということです。
では、どうしたら、そうした傷を癒していくことができるのか。
今日は、その代表的な方法を一つご紹介したいと思います。
「その傷ついた小さな自分に、どんな言葉をかけてあげたいだろう?」と、想像してみることです。
どんな言葉でも、いいんです。
いまの自分が、その小さな自分に、かけてあげたい言葉。
それを、探してみてください。
そして、できれば、小さな自分にその言葉をかけてあげることです。
「寂しかったよね」
「よく我慢したよね」
「頑張ってきたもんね」
「大丈夫だよ」
「一人じゃないよ」
その言葉を、かけてあげてみてください。
一回したら終わりではなく、毎日でも、何回でも、かけてあげてください。
少しずつ、自分のなかで変わっていくものがあるはずです。
今日は、傷ついた小さな自分に、どんな言葉をかけたいだろう、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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