身体の、色。血の赤色や、肌色といった暖色系の色。青い色は、それと離れているのに、なぜ見ていると落ち着くのだろう。不思議だけれど、青い色が好きだ。
「でもさ、あれだけ自由を愛するフランスが、最も大胆な封じ込め策に出るとは、なんなんだろうな」「まあ、あれじゃないですか。最も偉大な自由は、最も強固な制約から生まれるのかも」
お酒が、桃源郷をもたらしてくれるわけではない。断酒が、追い求めた理想郷なわけでもない。そのどちらであるかは、たいして重要ではない。飲んでも、飲まなくても。私は、ここにいる。
自らがどうあろうとも、進むときは勝手に流れ、留まるときは何をしても淀む。それは美しく、訪れる。ちょうど、春になれば桜が咲くほどの自然さと、美しさをもって。流れと、よどみ。
忘れるためには、ふるいにかけられ、そして仕舞われないといけない。私たちは、忘れるために仕舞い、思い出すために忘れるのだ。
古来より、私たちはそれらの花たちを愛で、その微笑みに癒されてきた。桃始笑。何とも美しいこの言葉で、春を愛でよう。
ただ、そこに愛があっただけなのだろう。罪悪感の大きさと、同じくらい深い、愛が。