さて、断酒もとうとう500日の大台に乗った。
ああ、そうだったか、くらいの感慨しかないが、やはり節目は節目なのだろう。
これまでの断酒日記を振り返りながら、ずいぶんと遠いところまで来たものだと思う。
始めた直後の1週間~1か月ほどは、飲みたいなぁと思ったり、つらかったりする時期はあったが、あとは流れのままに自然に、という感じではある。
それでもお酒に代わる刺激を求めて、辛い食べものを欲したり、甘いものに魅入られたり。
お酒が与えてくれていた恩恵である、陶酔感やつながっている感覚を求めてみたり。
そんなこんなはあれど、断酒を続けてくる事ができた。
それは、一つの実験のように感じる。
=
ここから先は、どうだろう。
ある程度、結果の出た実験を続けるのか、それともやめるのか。
1,000日続けると、また違った結果が出るのか、そうでもないのか。
とある断酒サイトでは、3年というのが最終的な区切りになるようなことを見かけた。
3日、3週間、3ヵ月、3年…「3」という数字の期間で、人はよく変化するようだ。
それは逆に言えば、新しい環境に移ったときに疲れが出たり体調を崩しやすかったり、あるいは新しい習慣を始めるときに挫折しやすかったりするタイミングとも言える。
それを乗り越えると、一つ楽になる。
さて、断酒にも3年という区切りがあるのだろうか。
=
それがあったとしても、なかったとしても。
この先、飲んでも、飲まなかったとしても。
どちらでも大丈夫なのだろう。
どちらにも恩恵があり、どちらにも不都合があり。
どちらを選んでも大丈夫、と思えるのが、断酒の一つの大きな恩恵なのだろう。
未来は決まっていない。
それを選べることを、自由と呼ぶ。
=
お酒が、桃源郷をもたらしてくれるわけではない。
断酒が、追い求めた理想郷なわけでもない。
そのどちらであるかは、たいして重要ではない。
飲んでも、飲まなくても。
私は、ここにいる。
桃源郷や理想郷が存在するとしたら、それはただ一つしかない。
それは、私の内側にこそ。
飲んでいても、断酒していても。
どんな選択を選んでも。
それは、ここにある。