熊野本宮前発のバスは、貸し切りだった。ハイシーズンとはいえ、雨中の熊野古道・中辺路を歩こうとする人は少ないのかもしれない。発心門王子前で降りると、神気のような霧があたりを包んでいた。傘を叩く雨粒の音と、鳥の声だけが響いていた。
早いもので、もう立冬。冬、立てる日である。朝晩の空気の冷たさが、少しずつ真冬の凛とした寒さに近づいていくようで。けれど、立冬の今日の朝は、どこか暖かかった。
中日ドラゴンズが昨日の試合に勝ち、今シーズンのAクラスを8年ぶりに確定させた。与田監督は就任2年目にして、球団最長となっていた負の歴史に終止符を打った。残念ながらコロナ禍によりクライマックスシリーズは行われないが、希望を灯す勝利だった。
時に、「何かに呼ばれた」としか言いようがない旅がある。 なぜか、その地名を目にしたり、耳にしたりすることが重なったり、誰かに誘われたり、あるいはどうしてか、そこが気になって仕方がなくなったり。 私にとっては、熊野がそのような地だった。 2年半…
朝晩の空気のぴんとした冷たさに、冬の訪いを覚える。もう朝晩の車の中は、暖房をつけないと冷え込む日が増えてきた。霜降も末候、「楓蔦黄、もみじつたきばむ」の候。
もしも、寝なくても平気な身体になれるとしたら。そう問われたら、寝ることが必要な身体を選ぶような気がする。寝ている間に、「あちら」の世界に行くことができなくなるのは、寂しいように思うからだ。睡眠は、最高の癒し。そんなことを思う。
断酒して2年が経った。お酒がなくなったとしても、結構大丈夫なものだと分かった。私自身にとっては、「人生にどうしてもなくてはならないもの」ではなかった、ということなのだろう。