早いもので、もう立冬。
冬、立てる日である。
朝晩の空気の冷たさが、少しずつ真冬の凛とした寒さに近づいていくようで。
けれど、立冬の今日の朝は、どこか暖かかった。
昼過ぎから雨の予報が出ているせいか、昨日までよりも空気がやわらかく、暖かい。
その雨も、降る前は少し暖かくなるが、降った後はまた一段と冬に近づいていくのだろう。
七十二候では、「山茶始開、つばきはじめてひらく」。
ツバキ科の山茶花(サザンカ)が咲き始めるころ。
冬の風物詩の赤も、このあたりから街角に赤色を差してくれるようだ。
冬の空気は冷たく、どこか透明や白を思わせる。
きたぐにからは、初雪の知らせも届く。
色づいた葉も木枯らしに吹かれて、地に落ちていく。
アスファルトに貼りついた黄色や橙色が、どこかもの悲しく。
されど、そんな折に。
彩りを差してくれる花を愛でるのも、楽しい。
冬には赤が、よく似合い。
山茶花はまだ見つからなかったが、その代わりの赤を。