断酒して今日で丸2年になる。
2年前、霧雨降る自宅近くの川の小橋の上で、「なんとなく」決めた断酒がここまで続くとは思わなかった。
川に住むカメに、息子がぽいぽいとエサを投げていた風景を思い出す。
お酒という文化は素晴らしいものだと思うし、いいものだと今でも思っている。
もし、いまもお酒を飲んでいたら、違う道のりを歩いていたのだろう。
それがどんな道のりだったのか、「たられば」に意味は無くても、ふと考えるときがある。
けれど、お酒がなくなったとしても、結構大丈夫なものだと分かった。
私自身にとっては、「人生にどうしてもなくてはならないもの」ではなかった、ということなのだろう。
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たいせつなのは、「何をするか」ではなくて、「何をしないか」だ。
時に、そんな言葉を聞く。
何をするかは、何をしないかと合わせ鏡である。
何をしないか、すなわち何が要らないものなのか、を削ぎ落していくと、自分にとってほんとうに、どうしても、なくてはならいものが残る。
何をしないか、何が嫌いかを突き詰めていくと、好きなものしか残らないように。
何かを失うということは、空隙をつくる、ということでもある。
真空と同じように、そこには必ず何かが入ってくる。
そんな気がするのだ。
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断酒が2年も続いたことは、タイミングも然りなのだが、やはり同じ時期に断酒を始めた「断酒仲間」のライフワークカウンセラー・岩橋隆盛さんには、御礼を申し上げたい。
ただお互いに相手の姿を見て、励みになるという存在は、大きなものだ。
それは、具体的に何かをしてもらうよりも、大きい恩恵なのかもしれない。
誰かを助けたければ、自分をまず助ける。
誰かを癒したければ、自分をまず癒す。
そんなことを、体感として教えて頂く2年間だったように思う。
岩橋さん、ありがとうございました。