大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

断酒日記【2年】 〜たいせつなのは、「何をしないか」。

断酒して今日で丸2年になる。

2年前、霧雨降る自宅近くの川の小橋の上で、「なんとなく」決めた断酒がここまで続くとは思わなかった。

川に住むカメに、息子がぽいぽいとエサを投げていた風景を思い出す。

お酒という文化は素晴らしいものだと思うし、いいものだと今でも思っている。

もし、いまもお酒を飲んでいたら、違う道のりを歩いていたのだろう。

それがどんな道のりだったのか、「たられば」に意味は無くても、ふと考えるときがある。

けれど、お酒がなくなったとしても、結構大丈夫なものだと分かった。

私自身にとっては、「人生にどうしてもなくてはならないもの」ではなかった、ということなのだろう。

たいせつなのは、「何をするか」ではなくて、「何をしないか」だ。

時に、そんな言葉を聞く。

何をするかは、何をしないかと合わせ鏡である。

何をしないか、すなわち何が要らないものなのか、を削ぎ落していくと、自分にとってほんとうに、どうしても、なくてはならいものが残る。

何をしないか、何が嫌いかを突き詰めていくと、好きなものしか残らないように。

何かを失うということは、空隙をつくる、ということでもある。

真空と同じように、そこには必ず何かが入ってくる。

そんな気がするのだ。

断酒が2年も続いたことは、タイミングも然りなのだが、やはり同じ時期に断酒を始めた「断酒仲間」のライフワークカウンセラー・岩橋隆盛さんには、御礼を申し上げたい。

ただお互いに相手の姿を見て、励みになるという存在は、大きなものだ。

それは、具体的に何かをしてもらうよりも、大きい恩恵なのかもしれない。

誰かを助けたければ、自分をまず助ける。
誰かを癒したければ、自分をまず癒す。

そんなことを、体感として教えて頂く2年間だったように思う。

岩橋さん、ありがとうございました。