大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「信頼」とは、相手やものごとをコントロールするためのものじゃない。

「信頼」ができれば、相手やものごとが変わってくれるはず。

そんな風に考えてしまいがちですが、「信頼」とは誰かをコントロールするためではなく、自分自身のためにするものです。

1.「信頼」のイメージ

先日の記事では、「信頼」のイメージ、というテーマでお伝えしました。

自分を「信頼」している状態のイメージとは。 - 大嵜直人のブログ

心理学で使われる場合の意味と、一般的な意味が異なる言葉がありますが、「信頼」もまた、そのカテゴリーに入るのでしょう。

一般的な意味での「信頼」とは、相手を頼ること、信じることを指します。

それゆえ、相手が自分の思い通りに動いてくれないとき、「信頼が裏切られた」と表現します。

「あの人を信頼していたのに、裏切られてしまった」

「彼の行動で、信頼が損なわれてしまった」

といった具合に。

しかし、心理学においての「信頼」とは、これと少し違った意味があります。

それは、現実に地に足を着けた上で、相手の価値や魅力、可能性を見続けることであり、言ってみれば「愛すること」の一部です。

「愛すること」なわけですから、相手の動向や、現実の結果には、左右されない状態が、「信頼」といえます。

「信頼は裏切られることはない」という心理学の金言がありますが、まさにそうなんです。

「相手がこうするなら、信頼しない」というのであれば、それは(心理学的な意味での)「信頼」ではないのでしょう。

「信頼」ができているとき、私たちは結果や相手をコントロールしようとしなくなります。

相手に委ね、任せている状態、いわばサレンダーしている状態になります。

もし、私たちが「信頼していたのに裏切られた!」と感じるのであれば、もっと深い意味で、その相手を「信頼」することができる可能性を示しているのでしょう。

はい、私もまだまだ精進が足りませんが笑

2.「信頼」はコントロールするためのものじゃない

「信頼」は、ものごとや相手をコントロールするためのものではありません。

これ、「手放し」なんかでも、似たようなお話があるのですが、とかく私たちは、「こうするとこうなる」という因果論が大好きです。

「彼女を手放したら、復縁できた」

「信頼を続けたら、相手が変わった」

みたいな。

もちろん、それはそれで真実なのでしょう。

けれども、これを

「復縁するために、手放す」

「相手を変えるために、信頼をする」

という風にとらえるのは、ちょっと考えものです。

「信頼」にしても、「手放し」にしても。

それは、ものごとや相手をコントロールしたり、人生を自分の思い通りにするために、するものではないからです。

そうしたくなる気持ちも、もちろん分かります。

「いまの現実がしんどかったりするから、それをなんとかしたい」という想いから、心理学を学ぶことも多いのでしょうから。

そんなときに、「信頼」や「手放し」を知ったら、「これをしたら、相手や現実が変わる」と考えるのも、無理はないですよね。

私も、そんな風に考えていました笑

でも、そうじゃないんですよね。

「信頼」するのも、「手放す」のも。

相手をコントロールすためではなく、自分が幸せに生きるためにするものです。

3.あくまで、自分のためにするもの

「信頼」とは、酸いも甘いも、イヤな面も素敵な面も分かった上で、それでもなお、相手の価値や魅力にフォーカスし続けることです。

それは、愛することの、一つの形です。

自分の愛に正直になれているとき、私たちは充実感や幸せを感じることができます。

「信頼」とは、相手をどうこうしたり、現実をコントロールするためにするのではなく、自分のためにするものといえます。

「信頼」ができてるとき、私たちの心は穏やかです。

それでいて、何が起こっても、信頼できる自分という軸があるから大丈夫という、しなやかで、揺るぎない自信に満ちています。

そうなると、相手がどうこうとか、結果がどうとか、あまり気にならなくなるんですよね。

もちろん、瞬間的には、心が揺れたりすることもあるのでしょう。

けれども、自分という軸が根を張っていると、何度でもそこに戻ってこれるのです。

それを支えてくれるのが、「信頼」という心のありようなわけです。

だから、繰り返しになりますが、「信頼」とは、相手やものごとをコントロールするためのものではないのです。

「信頼」とは、自分自身のためにするものなのです。

今日は、「信頼」とは、相手やものごとをコントロールするためのものじゃない、というテーマにしてお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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