大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

山茶花と椿、散りざまにその花の美しさは咲いて。

この時期に咲く花たちは、数少ないなれど冬の世界を彩ってくれる。

よく見かけるのは、山茶花と椿だろうか。

古来より、冬から春を彩る花として愛でられてきた二つの花。

両者はよく似ている花でもあり、見分けるのは難しい。

花の形が筒状なのが椿、平面で薄いのが山茶花。

葉のふちのギザギザが浅いのが椿、深いのが山茶花。

そう聞いてみたところで、ぱっと一つの花を見たときに、その花が椿か山茶花なのかを見分けるのは難しい。

比較というのは、比べる対象があって初めて成立するわけで。

比較対象の無い中で、椿と山茶花を見分けるのは至難の業だ。

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冬の透明な陽の光に映える赤い花。

さあ、どちらだろうか。

花は筒状のように見えるが、葉ののこぎり型は深いようにも見える。

けれど、簡単にそれを見分ける方法が、もう一つある。

その花の散りざまだ。

花びらを散らす山茶花と、花びらを散らさず花首のまま落ちる椿。

その散りざまを見れば、どちらの花かがすぐに判別がつく。

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足元を見れば、花びらの絨毯。

先ほどの花は、山茶花だったようだ。

名前が分かると、また一段とその対象が愛おしくなる。

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朝の道すがらの椿。

「加茂川」という種類のようだ。

毎年、自宅の近くで咲いて、そしてそのままの姿で散っている。

自ら散って道を彩る山茶花と、散っても自分でいる椿。

どちらも、それぞれに美しく。

桜もそうだが、花の美しさと散りざまというのは、密接な関係があるらしい。

人もまた、同じなのかもしれない。