時に「大雪」。
山々は雪に覆われ、白い帽子をすっぽりとかぶり始めるころ。
目に見える冬の訪れも多く、師走のあわただしい時期でもある。
そんな時候だが、目に映るのは、不思議と彩りが多く。
それを探したくて、寒風に身を縮めながら、娘と外を歩きに出る。
朝の光に照らされる、常緑樹の葉。
光の加減は、どこかやさしく、淡く。
透き通る葉脈に、神々しさが宿る。
冬らしいといえば、冬らしい色なのかもしれない。
山茶花も、咲き始めると早い。
いつの間にか、赤い花壇になっている。
彩りの少ない冬だからこそ、映える赤。
見渡せば、少し淡い赤も見えて。
これは、何の花だろう。
形は蝋梅にも似ているが。
点描のような、赤。
少し歩けば、甘い南国調の香りとともに黄色も見えて。
傘をくぐりながら、その香りを浴びる。
桜の枝の先には、次の春を待つ蕾が。
これから冬本番だが、もう春の準備は始まっているようだ。
すべては、つながりの中で。
蕾を眺めてぼんやりしていると、あたりを走っていた娘が、ズボンにびっしりと「ひっつき虫」をつけてきた。
それを指摘すると、ケラケラと笑う娘。
ズボラな娘がそのまま家に帰ろうと歩き出すのを、私は追いかけた。
時に、大雪。
彩る、大雪。